“休日や夜間にもワクチン接種体制を” 菅首相が医師会に要請

新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、菅総理大臣は日本医師会の中川会長らに対し、診療時間外や休日に接種を行った場合に国が支払う接種費用を上乗せする方針などを伝え体制の確保に協力を要請しました。

菅総理大臣は30日午後、総理大臣官邸で日本医師会の中川会長や日本看護協会の福井会長と会談しました。

この中で、菅総理大臣は「新型コロナ対策においてはワクチン接種こそが決め手となる」と強調し、医療従事者への接種を早急に行うとともに、7月末を念頭に高齢者への接種を終えられるよう取り組む考えを改めて示しました。

そのうえで「残る最大の課題は接種体制の確保だ。平日の体制を思い切って強化するとともに休日や夜間にも接種を進めてほしい」と協力を求めました。

そして、医師や看護師が診療時間外や休日に接種を行った場合に、国が支払う接種費用を大幅に上乗せする方針などを伝えました。

これに対し中川会長は「国民が一丸となって新型コロナと闘ってきたが、ワクチン接種は今までの守りから攻めに転じるものだと捉えている。高齢者の接種を7月末までに完了することを目指したい」と応じました。

日本医師会 中川会長「全国の医師は使命感に燃えている」

日本医師会の中川会長は会談後、記者団に対し「かかりつけ医などによる個別接種が最も強力な武器、戦力になると思うのでワクチンを小分けで効率的に配送する努力や工夫を政府にお願いしご理解いただけたと思う。実際にワクチンが届き出せば全国の医師は使命感に燃えているので、必ずちゃんとやってくれると確信している」と述べました。

また、歯科医師にも特例で接種を認めることについて「医師と看護師がどうしても手当てできないところで、地域の関係者が合意して患者が接種してもいいということであれば、ありえるかなという範囲だ。医師が足りなくて接種できない状態にはまだなっておらず、そういう範囲で協力をお願いしたい」と述べました。

日本看護協会 福井会長「注力する体制 整えてくれる」

日本看護協会の福井会長は会談後、記者団に対し「ワクチン接種の人材確保のため相応の財政支援をするという話があった。今やるべきことに注力する体制を医療機関もしっかり整えてくれると思う」と述べました。

一方で、東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、大会組織委員会から500人の看護師確保を依頼されたことについて「どういうふうにできるのか意見交換しておくことが必要だと思う。今できることは最善を尽くしたいが具体的に何人確保できるかやこの先どうなるかは、まだ誰も分からない状態ではないか」と述べました。