ANA 過去最大 4046億円の赤字 昨年度のグループ全体の決算で

航空大手のANAホールディングスは、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に落ち込み、昨年度のグループ全体の決算は最終的な損益が過去最大の4046億円の赤字となりました。今年度は需要の回復を見込んで35億円の黒字となる見通しだとしています。

ANAホールディングスが30日に発表した3月までの1年間の決算は
▽売り上げが7286億円と前の年度より1兆2400億円余り、率にして63%減少しました。

▽最終的な損益は過去最大の4046億円の赤字となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、傘下の「全日空」の利用者が前の年度と比べて国際線で95%、国内線で70%減ったことが主な要因です。

今年度の利用者については
▽国際線は2019年度の実績の3割程度にとどまる一方
▽国内線はワクチンの接種が進み8割程度まで回復する見込みだとしています。

これを踏まえて来年3月までの1年間の業績予想では
▽売り上げは1兆3800億円
▽最終損益は35億円の黒字に転換する見通しだとしています。

厳しい経営環境が続く中、ANAはおよそ750人の社員を半年から2年間、外部に出向させるなどしてコストの削減を図るとしています。

オンラインの会見で片野坂真哉社長は「今後のカギを握るのはワクチンの接種で世界的に接種が進めば需要の回復が見込める。だが、最悪の状況を乗り切ったとはいえず、感染の状況もにらみながらコストの削減などで黒字化を達成する」と述べました。