中国 外国籍の船を領海から退去させる権限など認める法律成立

中国で、海上の安全を監督する海事局に外国籍の船を領海から退去させる権限などを認める法律が成立しました。ことし2月には武装警察傘下の海警局に武器の使用を認める「海警法」が施行されていて、沖縄県の尖閣諸島周辺における中国のさらなる活動強化につながるおそれもあります。

中国の北京で開かれていた全人代=全国人民代表大会の常務委員会で29日、海上の安全を監督する海事局の権限などを定めた「海上交通安全法」の改正案が可決、成立しました。

この中で海事局について、中国の領海で外国籍の船舶が安全を脅かす可能性がある場合、退去させることができるとしているほか、海上交通の安全や行政規則に違反した船舶を追跡する権限を認めるなどとしています。

また、国連海洋法条約で各国の船舶は沿岸国の安全を害さなければ領海を通過できる「無害通航権」が認められていますが、今回改正された法律では中国当局が「無害通航」に該当しないと判断した場合、外国籍の船舶の領海内の通過を止めることができるとしています。

中国ではことし2月、軍の指揮下にある武装警察傘下の海警局に武器の使用を認める「海警法」が施行されました。

今回の法律改正が沖縄県の尖閣諸島周辺や南シナ海における中国の活動強化につながるおそれもあり、日本をはじめとする周辺国との緊張のさらなる高まりも懸念されます。

加藤官房長官「正当な権益が損なわれないよう引き続き注視」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「わが国を含む関係国の正当な権益が損なわれることがないよう、関連する動向を含め引き続き注視していく。中国側に対してはこうした考え方をきのう、外交ルートを通じてしっかりと申し入れた」と述べました。