“巣ごもり連休” どう過ごす?

東京や関西に緊急事態宣言が出され、ことしも「ステイホーム」が求められる大型連休。「巣ごもり」する人たちに少しでも有意義な時間を過ごしてもらおうと、さまざまなサービスがオンラインで提供され、人気を集めています。

オンラインで工場見学

その1つが、子どもたちに学びの場を無料で提供するサービスです。今回の緊急事態宣言をきっかけに都内の教育関連の会社が始めました。

このサービスではオンラインの会議システムを活用し、子どもたちがさまざまな仕事について当事者に話を聴いたり、学校でないと挑戦できないような理科の実験を体験したりできます。

東京杉並区の今井ちえさんは、28日、長男で小学5年生の啓太さんとともに消しゴム工場を見学するオンライン講座に参加しました。

この工場では動物や食べ物などさまざまなデザインの消しゴムをつくっていて、啓太さんたちは、はじめに動画で製造工程を見学したあと、新しい消しゴムを作るならどんなデザインがいいかアイデアを出し合っていました。

今井さんは、新型コロナウイルスの感染が広がる前は、例年、大型連休には家族で茨城県の実家に帰省していました。

しかし、2年連続で帰省はあきらめざるをえず、大型連休の期間中も親子でこのサービスを利用することにしています。

今井さんは、「両親は感染のリスクが比較的高いと思うので、しばらくは帰省は我慢せざるをえません。旅行やキャンプにも行けずストレスはたまります。でも、オンラインでこういう体験ができれば退屈はしのげます」と話していました。

会社によりますと、今回の緊急事態宣言をきっかけに、一部の講座の無料提供を始めて以降、登録者数は以前の2倍あまりに増えたということです。

「キッズシーズ」の三浦里江社長は、「自宅にいながら世界を広げる体験ができるので長びく自粛生活でたまったストレスの解消につなげてもらえれば」と話していました。

旅行気分を味わう

県境をまたぐ移動の自粛が呼びかけられる中、オンラインで旅行気分を味わえるとして人気を集めているサービスもあります。

提供しているのは千葉県に拠点を置く旅行情報を取り扱う会社です。この会社は、肉や魚、お酒など全国各地のさまざまな特産品の詰め合わせを販売しています。

しかし、利用者には、特産品が郵送で届くだけでなく、動画投稿サイトのURLが通知されます。アクセスすると、地元の人が特産品のおいしい食べ方やおすすめの観光名所を紹介する動画を見ることができ、特産品とあわせて、旅行を“疑似体験”できるという仕組みです。

鹿児島県長島町の離島、獅子島を紹介した動画では、地元の漁業者が島特産のブリやタイ、そして、美しい夕日が見られる海辺のスポットを紹介しています。

この会社は元々、旅行プランを提案するサービスを提供していましたが、コロナ禍で旅行需要が激減したことから、各地の道の駅や自治体、観光協会と連携して去年4月にこのサービスを始めました。

今回の緊急事態宣言が出されたあと、このサービスの利用者は、3割から4割ほど増えたということです。
「Orange」の甲斐考太郎代表取締役は、「利用者に旅行気分を味わってもらうだけでなく、“旅先”の経済も回す仕組みになっているので喜ばれています。自粛が求められる中ですが、少しでもリフレッシュしてほしい」と話していました。