“入学しないのに入学金”大学生たち 3万人署名集め改善求める

大学の入学を辞退しても入学金が返されない現状は問題だとして、3万人分の署名を集めた大学生のグループが会見し、入学しない大学には支払わずにすむよう納付期限の延長などを訴えました。

28日、文部科学省で会見したのは、オンラインで署名活動を行った大学生などのグループで、入学しない大学への入学金の支払いが不要となるよう呼びかけたところ、1か月余りで3万人分の署名が集まったということです。

会見では、入学を辞退しても1度支払った入学金が返されない現状があるとして、全国大学生活協同組合連合会が保護者に行った調査で、入学しない大学に支払った額は、国公立大学で28万円近く、私立大学で29万円余りに上ったことが説明されました。

そのうえで学生らは、集まった署名を文部科学省や私立大学で作る団体などに提出するとしたうえで、大学に対し、入学金の納付期限を3月末に延長するよう求めるとともに、国に対しては、私立大学が入学しない学生からも入学金を得ないと経営できない状況ならば、高等教育機関もしくは学生個人への支援を手厚くするよう求めています。

発起人の糸井明日香さんは「去年はコロナ禍で大学に通えず、授業料や施設維持費に納得できないという学生の声が多かった。家庭の経済状況が厳しくなる中、受験自体を諦める子が出てくるおそれがあり、改善が必要だ」と話しています。

識者「背景に学生からの納付金に強く依存する構造」

経済的に困窮している学生の支援に取り組む中京大学の大内裕和教授は、入学金をめぐる現状について「経営の安定のために、国から私立大学への私学助成が導入されているが、1980年以降年々減らされ、近年では私立大学の経常費の1割を切っており、授業料や受験料、それに入学金など、学生からの納付金に強く依存する構造になっていることが背景にある」と指摘しています。

そのうえで「コロナ禍の発生以降、学生の経済状況は学生自身のアルバイト収入や保護者の収入の減少が起こっていることから、今回の要求は切実だと感じる。高校卒業後は、専門学校を含めると8割が高等教育機関に進むが、日本の高等教育機関への公的な予算の比率はOECD諸国の中でも最も低くなっていて、国の予算が少なければ、私費負担の比率が高くならざるをえない。学生たちが理不尽な思いをしないよう政策が進められることが必要だ」と話していました。