大型連休 人の流れはどうなる?“混雑避けて” 各地で取り組み

29日から始まる大型連休。東京近郊の行楽地などでは人の往来を抑えたり混雑を避けたりするための取り組みが行われています。
また、各地の知事などからは連休期間中の外出自粛や、帰省や旅行を控えるよう呼びかける声も相次ぎました。大型連休前日の各地の動きをまとめました。

海岸沿いの駐車場閉鎖

このうち神奈川県は大型連休の期間を中心に海岸沿いの駐車場などの閉鎖することを決めました。

これを受けて葉山町の海に面した「長者ヶ崎駐車場」では、29日からの閉鎖に向けて神奈川県道路公社の職員が閉鎖中と書かれた看板を設置したり、閉鎖の期間を知らせるポスターを貼ったりして準備を進めていました。

県道路公社によりますと、この付近は磯遊びやマリンスポーツを楽しむ人でにぎわうスポットで、例年、大型連休の期間にはたくさんの車が駐車場を利用するということです。

県では29日から来月11日までの間、鎌倉市、逗子市、葉山町、愛川町の海岸沿いや県立公園内にある8か所の駐車場を閉鎖することにしています。

観光客に対応

例年、大型連休には大勢の観光客でにぎわう神奈川県藤沢市の江の島では、飲食店が閉店時間を早めるなどする独自の対応を取ることになりました。

28日は関係者が市役所を訪れ、29日から5月11日までの間、営業時間を午後8時までに短縮することや酒類の提供は午後7時までにすることなどを報告しました。
また、市と観光協会の職員が江の島やその最寄り駅など8か所に看板を設置して
▽感染予防を呼びかけるともに
▽多くの人が密集しないよう島内とその周辺の人出や混雑状況がリアルタイムでわかるウェブサイトを案内しています。

東京と隣接 川崎ではさまざまな対応が

東京と多摩川を挟んで隣接している川崎市では、大型連休中も営業しているショッピングモールやレジャー施設などを目当てに都内から多くの人が訪れる可能性があるとして、さまざまな対応が進められています。

川崎市中心部にあるショッピングモールや映画館などは営業を続けていて、宣言が出された今月25日以降、都内から訪れる人の姿も目立っています。
大型連休を前に施設の関係者は対応に頭を悩ませていて、このうち淡水魚をはじめおよそ230種類の水辺の生き物をみられる「カワスイ 川崎水族館」は大型連休の期間中、時間帯ごとに整理券を配布して入場者を一定数にとどめることを決めました。

多摩川で発見された黄金のナマズ『たまずん』の特別展示が人気を集めていますが、たまずんをテーマにしたワークショップなどの催しも人数を制限して対応することにしています。
水族館の有馬律雄館長は「本当は多くの人に訪れてもらいたいのですが、たくさんの人が訪れることを想定してどう混雑を防ぐかシミュレーションしています。『たまずん』は6月末まで会えますので焦らずに見にきてもらいたい」と話していました。

多摩川の河川敷 バーベキュー場など利用中止

一方、川崎市は多摩川の川崎側の河川敷にあるバーベキュー場など4つの施設について29日から当面、利用の中止を決めました。

市によりますと、都内で酒を提供する飲食店などに休業要請が出される中で、東京 世田谷区の二子玉川駅から歩いても来られるこうした場所に人が集まるのを防ぐためだということです。

バーベキュー場には28日も都内や千葉県から訪れたという大学生らの姿があり、都内に住む男子学生は「利用の中止は残念ですが東京に近い場所にあるのでしかたがありません。大型連休中は感染を食い止めるために都外に出ないようにしようと思います」と話していました。

福田市長「来ないでとまでは言えないが…」

川崎市 福田紀彦市長
「川崎に来ないでくれとまでは申し上げないが、ぜひ静かに大型連休を過ごしてもらうのが、それぞれの地域と私たち一人一人のためだと思うのでご理解いただきたい。感染が落ち着いたらまたぜひ遊びにきてほしい」

“自宅で快適に” DIY商品が人気

一方、自宅での時間を快適に過ごすために人気を集めている商品もあります。
千葉県習志野市のショッピングセンターでは、掃除道具や部屋の模様替えをするためのDIY関連商品の売れ行きが特に好調です。この店では去年の同じ時期と比べて商品の種類をおよそ2倍に増やしました。
このうち網戸の張り替えセットは「自分で網戸を張り替えたい」という客からの要望に応えて3月から取り扱いを始めたもので、売れ行きは好調だということです。

また、玄関周りを掃除するための柄の長いほうきや水回りを補修するための接着剤、収納グッズなども例年以上に売れているということです。

キャンプ用品も人気

一方、密を避けつつ外で過ごす時間も作りたいと考えている家族連れなどから人気なのがキャンプ用品です。

中でも、近所の公園や自宅の庭で気軽にアウトドアの気分を味わうことができる簡易な日よけテントやイスなどは、去年の同じ時期の1.5倍の売れ行きだということです。

買い物に訪れた女性は「家族で家で過ごして、おいしいものを買ってきて豪華にパーティーみたいに過ごそうと思っています。せっかく家にいるのでいつもより念入りに掃除もしています」と話していました。

イオンリテールホームファッション商品部の小河豊部長は「これまでは旅行用品など外出をするための商品が売れていたが、ことし売れている商品をみると自粛している人が多いのがよくわかる。従来の大型連休とは違う過ごし方をされるお客様が多いと感じます」と話しています。

各地の知事 “外出自粛を” “帰省や旅行控えて”

各地の知事からも大型連休中の外出自粛を呼びかける声が相次いでいます。
東京都の小池知事は首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で「人の動きが活発になる大型連休の期間中の対応が爆発的な感染拡大を阻止できるかどうかの重要な分岐点となる。集中して一体となって実践していくことが重要だ」と述べました。
大阪府の吉村知事は記者会見で、大型連休中が最大の山場になるとしたうえで「医療体制が厳しいうえに大型連休に入り手薄になる。連休は自宅で過ごしてほしい」と呼びかけました。
また、島根県の丸山知事は28日に対策本部会議を開き、緊急事態宣言が出ている地域などからの帰省や旅行は控えるよう県外に住む家族などに伝えてほしいと呼びかけました。