WHO インドで確認の変異ウイルス “免疫効果に影響おそれ”

WHO=世界保健機関は、インドで最初に確認された変異ウイルスについて、感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある変異があるとして、感染状況を注視する変異ウイルスの1つに新たに指定して、各国に検出状況を報告するよう呼びかけました。

インドでは、1日の新たな感染者数が連日30万人を超え、1日に亡くなる人も連日2000人を超えていて、要因の1つとしてインドで最初に確認された変異ウイルスの影響が指摘されています。

WHOは27日公表した報告書で、この変異ウイルスがインドのほかイギリスやアメリカ、シンガポールなどこれまでに世界の少なくとも17の国で報告されていることを明らかにしました。

報告書では、この変異ウイルスには感染力を強めたり、ウイルスを攻撃する抗体の働きを低下させたりするおそれのある特徴的な遺伝子変異が3つあり、インドの感染状況の分析からも感染力が強まっている可能性が示唆されるとしています。

このため、WHOはこの変異ウイルスを感染状況を注視する「注目すべき変異株」に新たに指定し、各国の保健当局に対し、検出状況を報告するよう呼びかけました。

一方、WHOはインドでの感染の急拡大は大勢の人が参加する宗教的な行事が開催されるなど社会的な感染対策が困難だったことなども要因だと指摘していて、今後、ウイルスの性質に関する研究を急ぐ必要があるとしています。