「春の褒章」666人19団体に 紫綬褒章に佐藤卓さんら

長年にわたって、その道一筋に打ち込んできた人や、芸術やスポーツの分野で功績のあった人などに贈られる「春の褒章」の受章者が発表され、グラフィックデザイナーの佐藤卓さんや舞踊家の金森穣さんら666人と19の団体が受章することになりました。

ことしの「春の褒章」を受章するのは、
▽人命救助活動で功績のあった人や団体に贈られる「紅綬褒章」が4人。

▽ボランティア活動で功績のあった人や団体に贈られる「緑綬褒章」が14人と19団体。

▽長年にわたって、その道一筋に打ち込んできた人に贈られる「黄綬褒章」が205人。

▽芸術や文化、スポーツ、それに学術研究の分野で功績のあった人に贈られる「紫綬褒章」が18人。

▽公共の仕事で顕著な功績があった人に贈られる「藍綬褒章」が425人です。

このうち「紅綬褒章」は、去年7月、住宅火災に巻き込まれた女性を救助した、大阪府の浅井信義さんらが受章します。

また「黄綬褒章」は、イタリア料理店のオーナーシェフで、テレビ番組などでイタリア料理の普及や発展に貢献している、片岡護さんや、京都の祇園の美容室で昭和21年から75年以上現場に立ち続けている、美容師の大林登美子さんらが受章します。

このほか、「紫綬褒章」は、NHKのEテレで放送中の番組「デザインあ」などを手がけ、幅広い層から支持されるデザインを生み出しているグラフィックデザイナーの佐藤卓さんや、海外での豊富な経験を生かして革新的・創造的な舞台で国内外で活躍する舞踊家の金森穣さんらが受章します。

「春の褒章」の受章者は例年、皇居で天皇陛下からお言葉を受けることになっていますが、新型コロナウイルスの影響で、去年に続いて取りやめになりました。

グラフィックデザイナー 佐藤卓さん

紫綬褒章を受章するグラフィックデザイナーの佐藤卓さんは、東京都出身の65歳。

東京藝術大学大学院を修了したあと、広告代理店での勤務を経て、昭和59年にデザイン事務所を立ち上げました。

パッケージのデザインから価格設定や商品展開まで関わったウイスキーがヒットして注目を集め、日用品を中心に人気商品のパッケージデザインを数多く手がけています。

商品以外にも、国立科学博物館や全国高等学校野球選手権大会のシンボルマークのデザインなどを手がけてきたほか、NHK Eテレの「にほんごであそぼ」などのテレビ番組やイベントの企画や演出を担当しています。

受章について佐藤さんは「大変光栄に思いますし、一緒に仕事をしてきた方々に感謝の思いが湧いています。ごく日常の当たり前の生活を少しでもいい方向に向けられればという思いで、日常に存在するモノやコトのデザインをしてきたので、その部分を評価していただいたのではないかと思っています。世の中が変化し、環境も変わる中で、これまでやったことがないものや新しい考え方みたいなものを発見できれば、これからの喜びにつながるのではという気がしています」と話しています。

舞踊家 金森穣さん

紫綬褒章を受章する舞踊家の金森穣さん(46)は、新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」の専属ダンスカンパニー、「Noism CompanyNiigata」の芸術監督を務めています。

金森さんは17歳でヨーロッパに渡り、世界的な振り付け師、モーリス・ベジャールなどに師事してダンスや振り付けの腕を磨き、20歳でデビューしました。

その後、日本で初めてとなる公共劇場専属の舞踊団「Noism」を立ち上げて創造性に満ちた作品を次々と発表し、これまでに芸術選奨文部科学大臣賞や毎日芸術賞など数々の賞を受賞しています。

今回の受章について金森さんは「17年前に新潟に移住し、『信じてきた道が間違っていなかった。これからも信じて歩んでいいんだ』と言われた気持ちがしてすごく喜びを感じています」と話しています。

そして今後の活動について、新型コロナウイルスが文化や芸術活動にも深刻な影響を及ぼしている状況に触れたうえで、「芸術家としての活動がどのように新潟のためになっていくのか、これからも考えていきたい。今回の受章をきっかけに1人でも多くの人に興味を持ってもらえたらうれしい」と話しています。