焼き肉店 集団食中毒から10年 遺族「食の安全訴え続ける必要」

焼き肉チェーンの北陸3県と神奈川県の店舗で、生肉のユッケなどを食べた5人が死亡した集団食中毒の発覚から27日で10年になります。食の安全対策が見直されるきっかけとなりましたが、遺族の1人は「つらい思いをする人が出ないよう食の安全を訴え続けていく必要がある」と話しています。

10年前の平成23年4月、焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の北陸3県と、神奈川県にあった店舗で、生肉のユッケなどを食べた181人が病原性大腸菌が原因の食中毒になり、子ども3人を含む5人が死亡しました。

チェーンを運営していた会社の当時の社長らは、その後、業務上過失致死傷の疑いで書類送検されましたが、検察が去年、不起訴とし、一連の捜査が終わりました。

また、富山県の遺族や被害者が、運営会社や当時の社長などに賠償を求めた民事裁判では、3年前、運営会社に賠償を命じた一方、当時の社長など個人の責任は認めないとした判決が確定しました。

この集団食中毒のあと、肉を生のまま提供する際には、表面を加熱することが義務づけられたほか、牛の生レバーの飲食店などでの提供も禁止され、食の安全対策が見直されるきっかけとなりました。

食中毒で当時14歳だった次男を亡くした富山県小矢部市の久保秀智さんは「もうこういうつらい思いをする家族はいてほしくない。10年たったが、食の安全については、また言っているじゃなくて、言い続けないと注意喚起にならない」と話しています。
また、妻と義理の母を亡くした富山県砺波市の小西政弘さんは「被害者の声が届かず、刑事事件でも民事裁判でも経営者個人の責任を問えなかったのは今でもおかしいと思っています」と話しています。