変異ウイルス感染者110人のうち6人重症化 “今後も分析必要”

変異した新型コロナウイルスに感染して先月上旬までに国内で入院した患者、110人のうち、6人が重症化していたことが国立国際医療研究センターなどの調査で分かりました。調査は中間的な取りまとめで、変異ウイルスによって重症化しやすいかどうかはまだ分からず、今後も分析する必要があるとしています。

国立国際医療研究センターなどは、先月9日までのおよそ2か月半の間に変異ウイルスに感染した入院患者110人について分析しました。

それによりますと、感染力が強いイギリスで広がった変異ウイルスに感染していた人は105人で、6人が重症化して集中治療室での治療や人工呼吸器などを使った治療を受け、このうちの1人が死亡したということです。

重症化した人は、40代と50代が1人ずつでいずれも肥満、70代と80代が2人ずつで腎臓や心臓の病気、それに脳梗塞といった持病があったということです。

センターは、中間的な取りまとめでごく限られた入院患者について分析しているため、変異ウイルスで重症化しやすいかは分からないとした一方、治療については従来と同様の方法で効果があるとしています。

分析した大曲貴夫国際感染症センター長は「重症化リスクについては今後も分析する必要があるが、今広がっている変異ウイルスは感染力が強いことは間違いない。患者が増えれば重症化する人も増え、医療は相当混乱するので、感染者を増やさないことが改めて重要だ」と話しています。