奈良県「Go Toイート」食事券 市民から批判の声 対応検討へ

新型コロナウイルスの感染が急拡大するなか、奈良県は、県内の飲食店で使える「Go Toイート」の食事券の追加の販売を26日から始めましたが、市民から批判の声が寄せられているということです。
県は、販売の一時見合わせも含めて対応を検討することになりました。

奈良県は「GoToイート」のキャンペーンのうち、県内で使えるプレミアムつき食事券を追加で販売することを決め、26日から1万円で購入し、1万2千円分を利用できる食事券合わせて25万セットの販売を始めています。

しかし、県の事務局の窓口には、どういう判断で販売を決めたのかなど市民から批判の声が寄せられているということです。

こうした中、県は食事券の販売を一時見合わせることも含めて対応を検討することになりました。

奈良県内では、感染の急拡大で病床の使用率が74%に上るなど医療体制がひっ迫していて、県はすべての病院に対し患者を受け入れるよう要請しています。

農林水産省によりますと、同様の食事券をめぐって周辺の府県では、大阪府や兵庫県が去年11月から販売を停止しているほか、京都府や和歌山県、それに滋賀県でも利用を控えるよう呼びかけています。

県医師会「会食 奨励する施策を進めるのは反対」

奈良県が「Go Toイート」の食事券の追加販売を始めたことについて、県医師会の安東範明副会長は「会食を奨励するような施策を今、進めるのは反対だ」と述べ、見合わせるべきだという考えを示しました。

そのうえで、安東副会長は「県内では入院や宿泊療養を待つ人が500人を超えていて、医療現場は崩壊に近い状況だ。県の要請を受け、各医療機関では新型コロナの病床を増やそうとしているが、その反動で通常の医療にかなりの制限がかかっていて厳しい状況になっている。県民や医療現場に対し、あまりにも配慮のない対応だ」と話していました。