インドで報告の変異ウイルス 不明多く実態把握へ 感染症研究所

インドで報告されている新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、国立感染症研究所が現時点の評価をまとめました。すでに国内で問題となっている変異ウイルスに比べて感染性が低い可能性を示唆するデータがある一方で、分からないことも多いことから今後、実態を把握していくとしています。

国立感染症研究所が26日付けで発表した報告によりますと、インドで報告されている変異ウイルスは、「B.1.617系統」と呼ばれ、「L452R」と「E484Q」という2つの変異を合わせ持つことがあるということです。

イギリスやアメリカなどでも見つかっていて、日本では4月20日に初めて国内の患者から検出されたほか、空港検疫でこれまでに20人から検出されているということです。

海外の研究では、インドで使われているワクチンの効果が下がったというデータがある一方で、同じ「L452R」の変異があるウイルスは、日本でも広がっている「N501Y」の変異があるウイルスと比べると感染性が低かったという細胞での実験データもあるということです。

国立感染症研究所では、インドでは遺伝子解析の数が少ないことなどからインド国内での感染者の急増との関係は明らかではないとしたうえで「ウイルスの性質についてまだわからないことも多く、引き続き実態を把握していく」としています。