大阪 コロナ対応の医師「搬送が遅れ 治療間に合わない事例も」

新型コロナウイルスの感染拡大で大阪の重症病床の危機的な状況が続く中、大阪 泉佐野市の病院の医師は、自宅療養や宿泊療養中の患者の症状が悪化しても病院に搬送されてくるタイミングが遅れることで、治療が間に合わないケースが出てきていると、危機感を示しています。

泉佐野市にあるりんくう総合医療センターは新型コロナウイルスの重症患者用に15床、中等症の患者用に26床、確保していますが、最近は病床に空きが出てもすぐに患者が入りほぼ満床の状態が続いています。

この病院でコロナ患者の対応にあたっている倭正也医師は、今の状況について「とにかく病床の回転がめまぐるしく、病床を空けたと思うと、すぐにまた救急車から受け入れ要請が来るという状況だ」として、依然として、患者が多いと指摘しました。

この病院では感染したウイルスが変異ウイルスかどうか、独自の検査を行っていますが、先週、この病院で検査した37人分の検体のうち、36人分がイギリスで最初に見つかった変異ウイルスだったということです。

この状況について倭医師は「変異ウイルスは重症化しやすく、かつ、重症化のスピードが極めて早い。さらに感染力が強く、それが今の大阪の1000人を超える感染者につながっていると思う。入院してくる患者の中には20代や30代と若く、中等症でも調べると、非常にひどい肺炎の場合がある」と述べています。

そのうえで倭医師は「変異ウイルスに感染していてもしっかりと医療が間に合えば回復も早く、治らないというわけではない。しかし、今の大阪は、治療するためのベッドが空いておらず、しかるべき治療ができないまま残念な結果になってしまうことがある。自宅やホテルで療養中に呼吸の状態が悪くなってから搬送されてきたり、中等症だと聞いていたのに、入院してきたときにはもう重症状態だという患者もいたりする。新型コロナの患者を1人でも多く、早く、病院に収容することが、1人でも多くの患者を助けることにつながる」と述べ危機感を示していました。

そして「新規の感染者数が1000人以上の状態が続いている。緊急事態宣言が出たが、十分な効果が得られなければ、医療現場のひっ迫が来月から6月までずっと続くことになる。ぜひ、府民の皆さんには最大限、人の流れを抑えてほしい」と述べ、一人ひとりの協力を強く求めています。

大阪府 自宅療養患者 初の1万人超え(25日時点)

大阪府では、25日の時点で、自宅で療養している患者は1万204人でこれまでで最も多くなり、1万人を超えたのも初めてです。

また、今月に入ってから25日までに9人が感染確認後、自宅で亡くなっています。

このうち6人は自宅療養中だったということです。

また、このほかの2人は、「宿泊療養」が必要だと判断されたものの、療養施設に入る前に自宅で死亡したということです。

さらに、ほかの1人は、入院か自宅などでの療養かを判断する前に自宅で亡くなったということです。

国内死亡者1万人超え 倭医師「非常に厳しいことだと痛感」

国内で新型コロナウイルスへの感染が確認され、亡くなった人の数が1万人を超えたことについては、りんくう総合医療センターで患者の対応にあたっている倭正也医師は医療現場の危機的な状況が続く中、これからさらに亡くなる人の数は増えるという認識を示したうえで「しっかりとした医療体制で、治療をやりきったうえで助けることができなかったのであればまだ皆さんに理解していただけるかもしれないが、医療体制が間に合っていない状況で残念な結果になってしまうのは、非常に厳しいことだと痛感している」と話していました。