【詳しく】ワクチン接種 都道府県別の実績 高齢者1%に届かず

新型コロナウイルスの高齢者向けのワクチン。今週、全国すべての市区町村にそれぞれおよそ1000回分配送され、政府は6月末までには対象の高齢者全員に2回ずつ接種できる量を供給できる見込みだとしています。
一方、世界では接種回数が10億回を超えましたが、日本では公表された最新の実績で、医療従事者と高齢者を合わせておよそ270万回。このうち高齢者だけを見ると1回の接種を終えた人はまだ1%にも届いていないことがわかりました。

ワクチン接種 最新の実績を公表

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては2月から医療従事者などへの接種が進められ、今月12日からは65歳以上の高齢者への接種も始まりました。政府は26日、都道府県別の最新の実績を公表しました。

「医療従事者などの接種」 1回は37%ほど・2回は18%ほど

「医療従事者など」(今月23日まで)
▽最も多かったのは東京都で
1回目を終えた人が17万3280人、2回目を終えた人が8万1233人でした。

次いで
▽大阪府が1回目は10万5584人、2回目は6万646人
▽愛知県が1回目は9万9994人、2回目は3万7069人
▽埼玉県が1回目は8万5296人、2回目は3万7892人
▽北海道が1回目は7万2190人、2回目は4万3675人
などとなっています。

国内全体では
▽1回目の接種を終えた人が176万4504人。対象となるおよそ480万人の37%ほどです。2回の接種を終えた人は87万8734人と18%ほどの割合となっています。

「高齢者の接種」 全体の1%未満

「高齢者の接種」(今月25日まで)
▽石川県で3975人が1回目の接種を終え
▽神奈川県が3602人
▽和歌山県が3049人
▽山口県が2935人
▽東京都が2899人などとなっています。

国内全体では25日までに7万4852人が1回目の接種を終えています。優先接種の対象となる高齢者はおよそ3600万人で、ワクチンを接種したのはまだ全体の1%未満です。
また、先週までの出荷量は合わせて1100箱、1瓶5回で計算すると107万2500回分とされ、実際に1回目の接種をした高齢者は出荷量の1割以下にとどまっています。

ただ、これらはあくまで都道府県から報告があった人数を集計したもので、実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があります。

ワクチン到着も接種を始められない…<青森 新郷村>

ワクチンが到着したものの、すぐに高齢者への接種を始められない自治体もあります。
人口およそ2300人の青森県南部の新郷村では24日、高齢者向けのワクチンが初めて到着しました。届いたワクチンは1箱、975回分で、村の高齢者のおよそ8割が1回接種できる量ですが、すぐに接種を始められないでいます。

「アナフィラキシー」備えた体制 確保できないおそれ…

村で唯一の診療所には医師1人と看護師3人しかいないため、接種を行う時には「アナフィラキシー」に備えて近隣の自治体の病院に救急搬送が必要な人を受け入れてもらう体制を確保する必要があるとしています。

しかし、受け入れ先となる病院もワクチン接種の準備に追われているうえ、大型連休には対応できる医療従事者の数が減ることから体制が確保できないおそれがあるということです。
このため、接種の開始は、ワクチンの到着から2週間余りがたった連休明けの来月11日にずれ込む見通しです。

診療所では来月中に希望する高齢者が1回目の接種を終えられるよう、ふだんは休診としている土曜日の午後や日曜日にも接種を行うことにしています。
新郷村国民健康保険診療所 工藤勝志事務局長
「本来であればすぐに接種を始めたいが何らかの副反応が出るととても怖いので大型連休明けから接種を進めることになった。住民が安心して接種できる体制を築いていきたい」

大規模接種会場 開設へ

来週末にかけて合わせて390万回分のワクチンが都道府県に配送され、高齢者への接種が徐々に本格化する見通しです。
政府は接種を加速させるため、東京と大阪に大規模な接種会場を開設し、医師などの資格を持つ自衛隊の協力も得ながら来月中にも運営を始める方針を固めています。