「電車は混んでいた…」「慣れも…」宣言で4都府県の人出は…?

「電車内は動けないくらいで、いつもより混んでいたと思います」(東京駅 女性)
「去年の宣言はプレッシャーを感じましたが、慣れてしまいました」(東京駅 男性)
「宣言が出ても生活に大きな変化はないです」(大阪駅 女性)
「人出は少し、少なくなったように思います」(大阪駅 男性)

東京 大阪 兵庫 京都の4都府県に出されている緊急事態宣言。期間に入って初めての平日となった26日朝、勤務先に向かう人たちからはこのような声が聞かれました。感染拡大を防ぐため人の流れを抑制することが呼びかけられていますが、主要な駅の朝の通勤時間帯の人出はどうだったのでしょうか。

4都府県 通勤時間帯の人出は…?

NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出された4都府県の主要な駅について26日午前8時台の人の数を分析しました。

先週月曜日比では減少

いずれも先週の月曜日と比べると減少していて
▽大阪駅が10%
▽京都駅は5%
▽神戸市の三ノ宮駅は4%
▽東京駅は3%の減少となりました。

東京 京都 兵庫 過去2回の“宣言”より増加

一方、東京 京都 兵庫では
▽去年4月からの1回目と
▽ことし1月からの2回目の緊急事態宣言と比べると
人出が増加しています。

東京駅

▽去年の宣言時の平日の月曜平均と比べて39%
▽2回目の宣言時の平日の月曜平均と比べて17%
いずれも増加しました。

京都駅

▽去年の宣言時より39%
▽2回目の宣言時より8%
いずれも増加しました。

三ノ宮駅

▽去年の宣言時より31%
▽2回目の宣言時より7%
いずれも増加しました。

大阪駅

▽去年の宣言時と比べて41%増加しましたが
▽2回目の宣言時と比べるとわずかに1%減少しています。

「テレワーク」 浸透していないか…?

人出は、過去の宣言の時と比べると多くの地域で増えていましたが、通勤客からはこんな声も聞かれました。

「大企業ではないのでテレワークはやっていません」(横浜 会社員男性)
「去年の宣言では会社がテレワークを進め『絶対に出社するな』としていましたが、今回はそこまでではありません」(東京 会社員男性)
「勤務は通常どおりなので神戸まで出勤しました」(大阪から通勤 男性)

出勤者7割削減に協力を 西村経済再生相

西村経済再生担当大臣は経済3団体に、テレワークなどによる出勤者の7割削減に重ねて協力を求めました。

この中で西村経済再生担当大臣は「今回の変異株は感染力が非常に強く、これまで感染していなかった濃厚接触者の中でも感染する人が出ており、感染経路が不明な人の割合が6割を超えクラスターも多様化している。感染レベルは関西圏で極めて高く東京も相当なスピードで広がることが懸念されている」と指摘しました。

そのうえで西村大臣は「大型連休を機会に徹底的に対策を行い感染を減らしていきたいが、抑えられなければさらに強い措置を講じなければいけないということにもなりかねない」と述べ、3回目の緊急事態宣言のもとで人の流れを減らすため休業要請やテレワークなどによる出勤者の7割削減に重ねて協力を求めました。
これに対し
▽経団連の古賀 審議員会議長は会員企業にテレワークや休暇取得を促す考えを示したうえで「短期間で集中的に対策が実施されることで実効性が上がることを大いに期待したい。とにかく早く終わらせて平常に戻すことが大事だ」と述べました。

▽日本商工会議所の大島特別顧問は「感染予防策への国民や事業者の自発的な協力が必要だ。対策を徹底している飲食店を差別化し時短要請の緩和などのインセンティブを与え、努力次第で活動を継続できる攻めの感染対策に移行するべきだ」と述べました。

▽経済同友会の櫻田代表幹事は「他の国に比べワクチンの接種数が少ないことが心配だ。遅れれば遅れるほど変異株が進化し今までのワクチンが効かなくなる可能性が出てくる」と述べ、ワクチン接種の担い手を広げることを検討するよう求めました。

JR東. 山手線など減便へ

こうした中、JR東日本は、山手線など一部の路線で大型連休の合間の平日の通勤時間帯で運行本数を減らす方針を明らかにしました。

今月30日と来月6日、7日 通勤時間帯で

減便を行う日程は、大型連休の合間の平日の今月30日と来月6日、7日の3日間です。
【対象の路線】
▽山手線▽京浜東北線▽中央線の快速電車▽中央・総武線の各駅停車▽常磐快速線▽京葉線▽青梅線

緊急事態宣言に伴って国土交通省と東京都は鉄道各社に今月29日から来月9日の間で減便や休日ダイヤを適用するよう要請していて、JR東日本は平日の通勤時間帯で減便する方針を固めました。具体的にどの程度本数を減らすか詳細は近く発表するとしています。

JR東日本は、東京都からの要請にないとして終電の繰り上げはしないとしています。また、私鉄各社なども対応を検討し近く発表するとしているほか、関西でもJR西日本や私鉄で終電の繰り上げや減便の動きが出ています。

大阪. オンライン授業始まる

緊急事態宣言を受けて大阪市内の小中学校では26日からオンライン授業が始まり、このうち大阪 西区にある本田小学校の6年生のクラスでは午前中、児童が自宅でオンライン授業を受けました。
教室では担任の教諭がビデオ会議システムを使って出席を取ったあと、モニターに向かって算数の授業を行い、黒板に図形をはって説明したり、練習問題を出題しチャット機能を使って回答を求めたりしていました。

緊急事態宣言の期間中、大阪市立の小中学校では休校はせず自宅でのオンライン授業と学校での授業を組み合わせることにしています。
木村真平教諭は「思ったよりは児童のうなづきなどで反応を見ながら授業を進められました。児童からフィードバックをもらいながらよりよい授業にしていきたいです」と話していました。

参加した女子児童は「友達とわいわいできないので少し悲しいです。授業は思っていたより音もきちんと聞こえてよかったです」と話していました。

大阪. 親が仕事を休めない… 多くの児童が登校の学校も

一方、親が仕事を休めないといった事情などから児童の多くが対面での授業を受けている学校もあります。

大阪 浪速区にある大国小学校では26日から授業を撮影して家庭に配信するオンライン授業を始めましたが、親が仕事を休めないなどオンライン授業に対応できない家庭も多く、7割を超える児童が登校しこれまでどおり対面での授業を受けています。
6年生の教室では朝の会や国語の授業などをオンラインで配信し、登校した子どもとモニター越しに授業に参加した子どもが一緒に漢字の書き順などを習っていました。

この学校では午前の1、2時間目と午後の授業はオンラインで配信しますが、3、4時間目と給食の時間は全員が登校することになっています。

岡田治美校長は「家庭の事情から登校を希望する生徒さんが多いのが現状です。大きな混乱がなくてほっとしました」と話していました。

“宣言”初日の25日 飲食店の来店客数は3割近く減少

3回目の緊急事態宣言が出された25日、首都圏の1都3県で飲食店を利用した人は前の週より3割近く減少したという民間の調査もまとまりました。

飲食店に予約や顧客管理のシステムを提供する東京のIT企業「トレタ」は首都圏の1都3県のおよそ3000店の来店客数などを調べていて、それによりますと、25日の来店客数は前の週の日曜日と比べて29%減少しました。

時間帯別では…

▽客数が最も多かった
 「午後5時から午後8時」が34.2%減
▽「午後8時から翌日の午前0時」が45.3%減となったほか

昼の時間帯も
▽「午前11時から午後3時」が20.7%減
▽「午後3時から午後5時」が32.1%減となりました。

“宣言”前日は駆け込みも…?

その一方で、宣言が出る前日、24日・土曜日の来店客は前の週に比べて4.9%増えていました。調査した会社は、緊急事態宣言で酒やカラオケを提供する飲食店などに休業要請が行われたことを受けて、25日・日曜日の来店客が減った一方、前日の土曜日には駆け込みの利用があったとみられるとしています。