新型コロナ 国内の死者1万人超える 約80%は去年12月以降死亡

新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の数は1万人を超えましたが、このうちのおよそ80%は去年12月以降に死亡が発表されていて、感染の急拡大があった「第3波」以降、急激なペースで増加しています。

亡くなった人 3か月ほどで5000人増加

現在の感染の「第4波」では、関西を中心に重症者の増加傾向が続いていて、今後、亡くなる人がさらに増えることが懸念されています。

日本国内では、去年2月13日に新型コロナウイルスに感染していた神奈川県に住む80代の女性が亡くなり、初めて感染者の死亡が確認されました。

国内で亡くなった人の数は、去年4月8日に100人を超え、1か月後の5月2日に500人、7月28日に1000人、11月24日に2000人を超えました。
この後、亡くなった人の数は、1日当たり数十人ずつ増加し、ことし1月19日には初めて100人を超えるなど、1月23日に5000人を超えました。

5000人となるまで国内で初めて死亡が確認されてからおよそ1年でしたが、その後、わずか3か月ほどでさらに5000人増加したことになります。
亡くなった人は、去年12月以降25日までが7825人と、全体の80%近くを占め、感染拡大の「第3波」以降感染者の急増に伴って急速に増えました。
亡くなった人の年代別の割合について国立社会保障・人口問題研究所が各自治体が発表した年齢が分かっている人のデータをもとに今月(4月)19日時点で集計したところ、
10代以下は0%、
20代は0.04%、
30代が0.17%、
40代が0.72%、
50代が2.30%、
60代が7.33%、
70代が23.29%、
80代が43.10%、
90代以上が23.07%と
80代以上の高齢者が全体のおよそ3分の2を占めています。

ただ先月以降、感染力の高い変異ウイルスが広がっている感染拡大の「第4波」では、関西などで40代、50代の比較的若い患者でも重症化する傾向があることが指摘されていて、今後、さらに亡くなる人が増えることが懸念されています。

医師「医療ひっ迫で救命率低下は明らか」

新型コロナウイルスの重症患者の治療についてまとめているECMOnet代表の竹田晋浩医師は「感染者の数が増加すると残念ながら必ず一定の割合のかたが亡くなるため、感染拡大の第3波ではそれまでに比べて圧倒的に感染者の数が多く、亡くなるかたも比例して増えてしまった。感染した患者さんが重症化し、さらに亡くなるまでにはタイムラグがあるので、いま起きている感染拡大の第4波の影響は、これから反映されてくると考えるべきだ」と話しています。

そのうえで「日本は、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを使った治療の質は世界でもトップレベルにあるが、医療従事者がしっかり対応できていることが前提になる。各国のデータからもだ。変異ウイルスの広がりで40代や50代など比較的若い世代の重症化率が高まっていると見られ、医療が深刻な状態になっている関西を中心に、亡くなる人の数がさらに増加することを非常に懸念している。医療の質を維持するためには感染者の数を減らすことがなによりも重要だ」と話しています。

世界全体の死者は310万人超(日本時間26日午後5時)

アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスに感染し、亡くなった人は日本時間の26日午後5時現在で、世界全体で310万9715人となっています。

亡くなった人が最も多いのは、
▼アメリカで57万2200人、
次いで、
▼ブラジルで39万797人、
▼メキシコで21万4947人、
▼インドで19万5123人、
▼イギリスで12万7681人となっています。