インドの感染急拡大 対立する隣国パキスタンが医療支援申し出

インドでは新型コロナウイルスの新たな感染者が4日連続で30万人を超え、感染が急拡大する中、カシミール地方の領有権をめぐって対立する隣国パキスタンが支援する方針を明らかにしました。

インドでは25日の新規感染者数は34万9000人余りにのぼり、4日連続で30万人を超え、亡くなった人は2767人とこれまでで最も多くなるなど、感染が急拡大しています。

要因の1つと言われているのが感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある変異が少なくとも2つある新たな変異ウイルスで、世界的な広がりが懸念されています。

こうした中、隣国のパキスタン政府は24日声明を通じて、インドの人たちとの連帯を示すため、人工呼吸器や医療用の防護具などをインド政府に提供する方針を明らかにしました。

また、パキスタンのカーン首相も「インドの人たちとの連帯を表明する。共に地球規模の課題と闘わなければならない」とツイッターに投稿し、新型コロナウイルスの収束に向けてインド側と連携を強化していく考えを示しました。

インドとパキスタンはカシミール地方の領有権をめぐって対立し、関係が冷え込んでいますが、パキスタン側からの医療支援の申し出が、今後の関係改善につながるのか関心が集まっています。

米国務長官「インド政府と緊密に連携し追加支援」

これについて、アメリカのブリンケン国務長官は「恐ろしい新型コロナウイルスの流行の真っただ中にあるインドの人たちに心よりお見舞い申し上げる。私たちは、インド政府と緊密に連携し、インド国民と医療従事者への追加支援を迅速に展開していく」とツイッターに投稿し、さらなる支援を表明しました。