JR福知山線脱線事故から16年 追悼慰霊式は感染拡大で中止

107人が死亡したJR福知山線の脱線事故から25日で16年です。新型コロナウイルスの感染拡大で追悼慰霊式は2年連続で中止され、25日は、遺族たちがそれぞれの場所で犠牲者を追悼する1日となります。

平成17年4月25日、兵庫県尼崎市で、JR福知山線、通称、宝塚線の快速電車が、カーブを曲がり切れずに脱線して線路脇のマンションに衝突し、乗客ら107人が死亡、562人がけがをしました。

事故から16年となるのを前に24日夜、現場には遺族などが集まってろうそくに火をともし、亡くなった人たちを悼みました。

一方、例年、JR西日本が主催して行われてきた追悼慰霊式は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、兵庫県に緊急事態宣言が出される中、2年連続で中止となりました。

25日遺族たちは、事故が起きた時刻の午前9時18分に、それぞれの場所で犠牲者に黙とうをささげるということです。

新型コロナの影響で、追悼の行事など事故の記憶や教訓を伝える機会はことしも縮小や中止を余儀なくされています。

また、事故から16年となり、JR西日本では事故後に入社した社員が全体の半数を超えています。

会社は、事故を起こした車両を研修施設に移して保存し、社員向けの安全教育で活用する方針を示していますが、事故の経験や教訓をどう継承していくかは大きな課題となっています。