全国76の医療機関が回答 3分の2の施設で使い捨てマスク再利用

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、医療現場でマスクなどの不足が問題になりましたが、専門の学会などが感染対策の専門家がいる各地の医療機関を調査したところ、マスクが不足した際、3分の2の施設で本来使い捨てのものを再利用していたことが分かりました。

調査は、職業感染制御研究会と日本環境感染学会がことし2月から先月にかけて行い、全国76の医療機関で感染対策を担当する医師や看護師などから回答を得ました。

この中で感染を防ぐ防護具の不足について聞いたところ、高性能の「N95」マスクは、76%が不足したと答え、一般的なサージカルマスクは70%、医療用のガウンは66%、医療用手袋が33%でした。

不足した際には本来は使い捨てのものを再利用したケースも多く、N95マスクやサージカルマスクが不足したと答えたうちの67%が再利用したとしています。

このほか、調査では自治体などから届けられるマスクについて「一定の性能を確認したものを流通させてほしい」とか「限界があり難しいと思うが、同じタイプを支援してほしい」などと質の担保を求める意見が多く出されていました。

調査した聖マリアンナ医科大学の國島広之教授は「例外的なケースを除き、再利用は医療従事者や患者への感染リスクにつながるので望ましくない。医療の大前提となる十分な防護具の確保が必要だ」と話しています。