子どもの難病「ムコ多糖症」 世界初の治療法が実用化へ

子どもに知的な発達の遅れなどを引き起こす難病の「ムコ多糖症」について、症状の進行を抑える世界初の治療法が承認され、26日実用化される見通しです。

治療法を開発したのは、国立成育医療研究センターの奥山虎之統括部長らのグループです。

「ムコ多糖症2型」は、生まれつき特定の酵素が足りず、知的な発達の遅れや臓器の障害を引き起こす子どもの難病で、国内に少なくともおよそ150人の患者がいると見られています。

体内に酵素を投与すれば、症状の進行を一定程度抑えることができますが、これまで脳に投与することができず、知的な発達の遅れを抑えることができませんでした。

そこで研究グループは、治験で6人の重症の子どもの頭皮の下に特殊な装置を埋め込み、3年間にわたって月に1度、脳内に酵素を直接投与してきました。

その結果、3歳になる前に投与を始めた子どもでは症状の進行が抑えられ、ことしに入って厚生労働省が治療法として承認したということです。

世界初となるこの治療法は26日から実用化される見通しで、1回当たりの投与におよそ400万円かかりますが、複数の助成制度を利用すれば、1か月の自己負担額を数万円以下に抑えられるということです。

治験に参加した7歳の男の子の両親は「これまではただ悪くなるのを見ていることしかできませんでしたが、自分の名前が言えるようになり、将来に希望が持てるようになりました」と話していました。