ワクチン接種の高齢女性死亡 “因果関係 評価できず” 厚労省

厚生労働省は、先週、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた高齢の女性が死亡したことを明らかにしました。
厚生労働省は「接種との因果関係は評価できないものの、体調がすぐれない時は接種を延期することも検討してほしい」と呼びかけています。

死亡したのは、今月12日にファイザーのワクチンの接種を受けた102歳の女性です。

厚生労働省によりますと、死亡したのは接種の4日後で、接種の前に誤えん性肺炎や慢性心不全などと診断されていたということです。

厚生労働省は「高齢で、もともと全身状態がすぐれなかった可能性があり、接種と死亡との因果関係は評価できない」としています。

23日に開かれた厚生労働省の専門家部会では、出席者から「ワクチンが不足する中で、せっかく接種の順番が回ってきたワクチンを打ちたい気持ちはあるだろうが、体調が悪い時は避けるべきだ」といった意見が相次ぎました。

厚生労働省は、自治体や医療機関に対し「体調がすぐれない人や基礎疾患が悪化している人については接種を延期し、回復してから接種を行うことを検討してほしい」と呼びかけています。

これまでに、接種を受けた医療従事者や高齢者のうち死亡したのは合わせて10人で、いずれも接種との因果関係は評価できなかったということです。

アナフィラキシーは193万回余で88件

一方、アナフィラキシーの最新の発生件数なども公表されました。

厚生労働省によりますと、今月18日までに合わせて193万回余りの接種が行われ「アナフィラキシーの疑いがある」と医療機関から報告された事例を国際的な評価指標で分析した結果、アナフィラキシーに該当したのは88件でした。

100万回当たりにすると46件の割合です。

アナフィラキシーを発症した人の86%は20代から50代の女性だったということです。

報告を受けた厚生労働省の専門家部会は「現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」として、接種を続けることを認める見解を示しています。