ホンダ 新車をすべて電気自動車や燃料電池車に 2040年を目標

自動車メーカーのホンダは、2040年に世界で販売する新車を、すべてEV=電気自動車と、水素で発電するFCV=燃料電池車にするという新たな目標を打ち出しました。ハイブリッド車を含めてガソリンエンジンを使う車をなくす目標を掲げたのは、国内メーカーでは初めてです。これは今月就任したホンダの三部敏宏社長が23日、都内で開いた記者会見で明らかにしました。

それによりますと、ホンダは車の電動化の新たな目標として、2040年に世界で販売する新車を、すべてEVとFCVにすることを目指すとしています。

EVとFCVは走行中に二酸化炭素を出さず、ハイブリッド車を含めてガソリンエンジンを使う車をなくす目標を掲げたのは、国内メーカーでは初めてです。

また、この目標に向けて3年後の2024年には、国内で軽自動車サイズのEVを投入する計画で、こうした電動化などに今後6年間で5兆円を投資するということです。

三部社長は「2050年のカーボンニュートラルを目指そうとすると、2040年には新車から出る二酸化炭素をゼロにしないといけない。今の手持ちの技術ではEVとFCVだ。課題はたくさんあるが、目標を目指すことで新しい技術もできてくるだろう」と述べました。

車の電動化をめぐっては今週、トヨタ自動車も2025年までに15の車種にEVを投入する計画を明らかにするなど、国内メーカーでも対応が加速しています。

“エンジンのホンダ”の課題

今回の新たな目標は、エンジンの技術に強みを持つとされてきたホンダとして、大きな転換点となります。

ホンダは、国内の大手自動車メーカーの中では最も遅く参入しましたが、1970年代には当時、世界で最も厳しいとされたアメリカの環境規制を世界で初めてクリアしたエンジンを開発したほか、自動車レースの最高峰・F1に日本メーカーとして初めて参戦し、ホンダのエンジンを載せたマシンが優勝を重ねて、市販車にもその技術を応用してきました。

ことし4月に就任した三部敏宏社長もアメリカ・カリフォルニア州の排ガス規制に対応したエンジンの開発に関わっていました。

しかし、今回、2050年のカーボンニュートルラルの実現に向けて必要だとして、エンジンのないEVやFCVの開発・生産に大きくかじを切る目標を掲げることにしました。

EVとFCVの販売比率は、先進国の市場で2030年に40%、2035年に80%、そして2040年には世界全体で100%にするとしています。

ただ、課題もあります。

EVやFCVは多くの蓄電池を使うためコストがかさみ、ガソリンエンジンの車やハイブリッド車と比べると車の価格は割高になります。

またホンダは、国内の新車販売のおよそ半分が軽自動車で、価格の面からも軽の電動化は難しいといった指摘もあります。

このためホンダは、日本国内では2030年まではハイブリッド車を中心に電動化を進め、電池のコストを下げたり、安全性が高くより多くの電気をためられる「全固体電池」の開発を急ぐことにしています。

また、今の車の生産体制や部品メーカーとの取り引きはガソリンエンジンの車やハイブリッド車が中心ですが、これをEVやFCV向けにどう見直していくかも課題となりそうです。