東京都 新型コロナ 5人死亡 759人感染確認

東京都内では23日、新たに759人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。都の担当者は「今後さらなる感染拡大が危惧される。強い危機意識をもって対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

東京都は23日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて759人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

金曜日に700人を超えるのは、およそ3か月前の1月29日以来です。


1週間前の金曜日からは92人増えていて、前の週の同じ曜日を上回るのは23日で23日連続です。

また、23日までの7日間平均は697.3人で、前の週の128.7%となり、増加のペースが上がっています。

都の担当者は「1週間前の金曜日から100人近く増え、増加傾向が続いていて、さらなる感染拡大が危惧される。強い危機意識をもって対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

23日の759人の年代別は
▽10歳未満が24人
▽10代が71人
▽20代が226人
▽30代が145人
▽40代が115人
▽50代が96人
▽60代が41人
▽70代が26人
▽80代が11人
▽90代が4人です。

20代と30代が全体の半数近くを占めていて、若い世代の感染者の増加が目立っています。

23日の759人のうちおよそ56%に当たる426人はこれまでのところ感染経路がわかっていません。

一方、感染経路がわかっている濃厚接触者の内訳は
▽「家庭内」が174人と最も多く
▽「職場内」が66人
▽「施設内」が51人
▽「会食」が16人などとなっています。

これで都内で感染が確認されたのは13万3662人になりました。

23日時点で入院している人は、22日より42人増えて1731人で「現在確保している病床に占める割合」は31.3%です。

都の基準で集計した23日時点の重症の患者は22日より4人増えて52人で、
重症患者用の病床の13.9%を使用しています。

また都は、感染が確認された50代から90代の男女合わせて5人が死亡したことを明らかにしました。

これで都内で死亡した人は合わせて1869人になりました。

変異ウイルス 160人感染確認

23日、東京都内では、これまでで2番目に多い160人が感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスに感染していることが新たに確認されました。

都内では22日、これまでで最も多い257人の感染が確認されていて、変異ウイルスの感染が急増しています。

医師「変異ウイルス 全世代で対策徹底の必要」

新型コロナウイルスの重症患者の治療を行ってきた国立国際医療研究センターでは、重症患者が増えてきているということで、治療を続けてきた忽那賢志医師は「都内でも変異ウイルスの影響で感染がさらに拡大すれば、大阪のような状況になる可能性はあり、今のうちに強い対策をするのは正しい選択だと思う」と話しています。

忽那医師によりますと、国立国際医療研究センターには3月下旬を最後に、1人もいなくなった重症患者が先週末から増え始め、22日の時点では4人の重症患者の治療を行っているということです。

また、入院しているおよそ30人のうち、半数は変異ウイルスに感染していて、今後、変異ウイルスがさらに広がれば、患者の増加に拍車がかからないか心配しているといいます。

忽那医師は「現時点で、大阪府や兵庫県のように病床の深刻なひっ迫には直面していないが、重症患者が増えていることで少しずつ忙しくなってきているという状況だ。変異ウイルスは、都内でも増えているので、このまま何も対策を取らなければ感染者が爆発的に増え、大阪などと同じような状況になるおそれもある。今のうちに強い対策を行うというのは、正しい選択だと思う」と話しています。

また、忽那医師は「比較的若く、基礎疾患のない人で重症化する人もいて、従来に比べて若い世代でも重症化しやすいことを実感してきている。必要な感染対策は変異ウイルスでも変わらないが、より広い世代が重症化するため、全世代で対策を徹底する必要がある。これまでと同じだと考えていると危険で、特に若い人は注意してほしい」と話しています。

変異ウイルスの確認は過去2番目の160人

東京都内では23日、これまでで2番目に多い160人が、感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスに感染していることが新たに確認されました。

都によりますと23日、新たに感染が確認されたのは、10歳未満から90代までの男女合わせて159人と、年齢が分からない1人の合わせて160人です。

これは、これまでで最多となった22日の257人に次いで2番目に多く、変異ウイルスの感染が急増しています。

160人は303人に検査をして判明しました。検査をした半分以上の52.8%が変異ウイルスだったことになります。

都は「陽性になる割合がこれまでになく高まっていて、変異株の感染が広がっている」としています。

もっとも多いのは20代で43人、次いで30代が23人、40代が21人、80代が18人、50代が16人、70代が13人、10代が10人、90代が9人、60代が5人、10歳未満と、年齢がわからない人がそれぞれ1人です。

160人のうち、感染経路がほぼ特定されているのは44人で3つの「高齢者施設」で合わせて31人、「職場内」が6人などとなっています。

一方、都が23日、死亡を発表した5人のうち、90代の女性は変異ウイルスへの感染が確認されたということです。

変異ウイルスに感染して死亡したのは、都内で2人目となります。

都内で変異ウイルスの感染が確認されたのは、合わせて1188人となっています。

都は新たな病床485床を確保 都内全体では5533床に

東京都は、新型コロナウイルスの患者用のベッドを新たに485床確保し、これで都内全体では5533床になったと発表しました。

このうち重症患者向けは41床増えて373床、中等症以下の患者向けは444床増えて5160床です。

また、1日あたり最大でPCR検査や抗原検査の能力をこれまでのおよそ1.4倍にあたる9万7000件、確保したと発表しました。

都は「過去に経験したことのない感染拡大に備えて、十分に対応できる検査体制を整備した」と説明しています。