緊急事態宣言要請で京都 花街でも影響広がる

緊急事態宣言の発出が要請されたことを受けて、京都の花街では料理店でキャンセルが出ているほか、舞妓が出演する予定だったイベントが見合わせの見通しとなるなど、影響が広がっています。

5つある花街の1つで、京都市東山区の宮川町にある京料理店では、感染リスクを防ぐため、昼と夜、それぞれ1組ずつに限定して営業していますが、感染拡大や緊急事態宣言の発出の要請を受けて、今週入っていた予約はすべてキャンセルになったということです。

常連客のほとんどが京都府外からで、以前は多くを占めていた外国人客もいなくなったため、今はテイクアウトの弁当や、デパート向けの総菜などに力を入れているということです。

「わた亀」の店主、高見浩さんは「緊急事態宣言は妥当な判断だと思うので、今は耐えるべき時期なのでしょうが、最高の食材を使った最高の料理を提供できる日が早く来てほしいです」と話していました。
また、来月8日から5つの花街の舞妓が参加して開催される予定だったイベントが、緊急事態宣言の発出の要請を受けて見合わせとなる見通しで22日、宮川町では、お茶屋組合の組合長が稽古場を訪れ、出演する予定だった3人の舞妓たちに伝えました。

舞妓たちは1週間前から披露する踊りの稽古をしていたということで、マスク越しに表情をこわばらせたものの、師匠が「稽古したことはむだにはならへん」とことばをかけると、静かにうなずいていました。
舞妓のとし七菜さんは「毎日、帰ってからも練習して公演を楽しみにしていたので、本当に残念です」と話していました。

また、とし菜実さんは「春先からお客さんも増えて、公演もできるかなと期待していたやさきなので、悲しいですが、いつかご披露できると信じて頑張ります」と話していました。

宮川町お茶屋組合の小田島芳信事務長は「1年にわたってイベントや公演、お座敷も減っているので、芸舞妓のモチベーションと生活が心配ですが、今は耐えるしかないです」と話していました。