騎手が座り込んだばん馬の顔を蹴り戒告処分に 北海道 帯広

北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬」で今月18日、騎手が座り込んだ馬の顔を蹴っていたことがわかり、市は騎手を戒告処分にしました。

帯広市によりますと、今月18日に帯広競馬場で行われたデビューを目指すばん馬の能力検査に出た馬が「第2障害」とよばれる坂を越えられず、座り込んでいたところ、鈴木恵介騎手が2回にわたって顔を蹴ったということです。

市がインターネットで配信している映像には、手綱を引くなどしても馬を起こすことができず、その後、顔を蹴っている様子が映っています。

鈴木騎手は、帯広市に対して「馬の頭を上げるために蹴った。反省している」と話しているということです。

帯広市には映像を見た人から「動物虐待だ」という批判のほか、騎手を擁護する意見などが、22日午後1時までに合わせて540件ほど寄せられているということです。

帯広市は、いかなる理由があっても馬を蹴ることは認められないとして、騎手に対して厳重注意をしたうえで戒告処分にしました。

鈴木騎手は当面、騎乗自粛を申し入れたということです。

帯広市は「今後、このような事案が発生しないよう、騎手やきゅう舎関係者に対して今まで以上に厳しく指導していきます」とコメントしています。

再発防止を呼びかけ

帯広市が主催する「ばんえい競馬」で馬の顔を蹴った騎手が戒告処分となった問題を受けて、帯広市は23日の開幕を前に、すべての騎手に再発防止を呼びかけました。

ばんえい競馬は、23日に今シーズンが開幕します。

市は、今回の事態を重く見て開幕前に行っている面談で、すべての騎手に対して再発防止を呼びかけたほか、23日に、きゅう舎の関係者にも周知することにしています。

獣医師「馬の顔を蹴る あってはならないこと」

ばん馬の生態に詳しい獣医師で帯広畜産大学の南保泰雄教授は「馬の顔を蹴るということは、獣医学や畜産分野でもあってはならないことだと思う。とても許されることではありません」と話していました。

そのうえで、立てなくなった馬に対して、わきばらあたりを手の平でたたいたり、人のひざを馬のでん部に当てて刺激したりすることで立つように促す方法があるとしています。

南保教授は「ばんえい競馬の中でルールを決めて、馬を蹴るようなことが二度と起きないようにしてほしい」と述べました。