東京電力 小林喜光氏を会長招へいで政府と最終調整

柏崎刈羽原発などで不祥事が相次ぐ東京電力を立て直すため、政府と東京電力は前の経済同友会代表幹事の小林喜光氏を会長に招へいすることで最終調整を進めていることがわかりました。

エネルギー政策にも通じる小林氏を経営トップに招き抜本的な経営改革を急ぐねらいがあるとみられます。

東京電力は、2011年に起きた福島第一原発事故のあと社外から招いた会長が経営の改革を推し進めてきましたが前任の川村隆氏が退任した去年6月以降、空席が続いています。

こうした中、関係者への取材で政府と東京電力が現在、三菱ケミカルホールディングスの会長を務める小林喜光氏を会長に招へいすることで最終調整を進めていることがわかりました。小林氏は取締役会の議長も兼任する見通しです。

小林氏は山梨県出身の74歳。2年前まで経済同友会の代表幹事を務め経済界をリードしたほか、政府の経済財政諮問会議の民間議員なども歴任し、現在は福島第一原発事故の賠償支援や東京電力の事業計画の策定などを行う「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の運営委員などを務めています。

エネルギー政策に通じ財界の重鎮でもある小林氏を経営トップに招くことで柏崎刈羽原発のテロ対策の不備など不祥事が相次ぐ東京電力の抜本的な改革を急ぐねらいがあるとみられます。

福島第一原発の廃炉に向けて処理水の海への放出を地元の理解を得て実行できるかや、再生可能エネルギーの拡大など「脱炭素」の実現で重要な役割を果たせるかなど小林氏は山積するさまざまな課題に取り組むことになります。

日本商工会議所 三村会頭「経営体質の抜本的な改善を」

日本商工会議所の三村会頭は22日の会見で小林氏について「今のおかれている状況で東電の会長を引き受けるというのは、生活を犠牲にしないといけないが、小林氏のような人がいれば本当によいと思う」と述べました。

そのうえで、新しい会長の役割について「カーボンニュートラルなどの政府の目標は、原子力発電の位置づけを明確にして、最大活用も含めて考えないと目標は達成できないが、柏崎刈羽原発の稼働なしにはそれも難しい。東京電力の体質を根本的に変え、普通の会社に変えることを先頭に立ってやらないといけない」と述べ、柏崎刈羽原発のテロ対策の不備など不祥事が相次ぐ東京電力の経営体質の抜本的な改善に向け、手腕を発揮してほしいと期待を示しました。