気候変動サミットに世界の首脳40人参加と発表 アメリカ政府

アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットが日本時間の22日夜、始まります。アメリカ政府は、サミットには菅総理大臣など世界の首脳40人が参加すると発表し、各国に温室効果ガスの削減目標のさらなる引き上げといった対応を求める方針です。

アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットは、アメリカ東部時間の22日午前8時、日本時間の22日午後9時から2日間の日程で、オンライン形式で開かれます。

サミットを前にした21日、アメリカ政府は、バイデン大統領が招いた世界の首脳40人全員の参加が決まったと発表しました。

この中には菅総理大臣をはじめ、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領などが含まれています。

サミット初日に行われる、26の主要国の首脳による会合では、冒頭、バイデン大統領が演説することになっています。

アメリカの主要メディアは関係者の話として、バイデン大統領が、アメリカの温室効果ガスの排出量を2030年までに、2005年と比べて半分程度減らす目標を発表する見通しだと伝えています。

また、安全保障をテーマにした会合には日本の岸防衛大臣が、自治体の会合には東京都の小池知事が参加するということです。

アメリカ政府は、今回のサミットで気候変動問題の解決に向け、各国に温室効果ガスの削減目標のさらなる引き上げや、具体的な対策を示すことなどを求める方針です。

日程は

アメリカ国務省の発表によりますと、気候変動サミットでは22日と23日の2日間に合わせて5つの会合が開かれます。

初日は、アメリカ東部時間の22日午前8時、日本時間の22日午後9時から、26か国の首脳が参加する会合が開かれます。

バイデン大統領が演説するほか、菅総理大臣や中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、それに国連のグテーレス事務総長などが参加し、各国の取り組みを発表します。

2つ目の会合のテーマは「気候変動対策への投資」で、アメリカのイエレン財務長官やIMF=国際通貨基金のゲオルギエワ専務理事などが参加します。

3つ目の会合は4つの分科会に分かれ、日本時間の23日未明から順次、行われます。

このうち「安全保障」をテーマにした分科会にはアメリカのオースティン国防長官や日本の岸防衛大臣が参加するほか、自治体トップなどの分科会には東京都の小池知事が参加する予定です。

また、初日の22日にはローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇も演説します。

サミットの2日目は、日本時間の23日午後9時から始まります。

「気候変動対策での技術革新」をテーマとする4つ目の会合が開かれ、イスラエルのネタニヤフ首相など6か国の首脳と企業のトップなどが参加します。

そして、最後の5つ目の会合では「気候変動対策による雇用の創出」をテーマに、4か国の首脳や企業のトップなどが議論します。

また、サミットの2日目には大手IT企業マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏やブルームバーグ前ニューヨーク市長も演説する予定となっています。

バイデン政権のねらいと課題

アメリカのバイデン政権は、気候変動対策を最優先課題に掲げ、外交政策の中核に位置づけているだけでなく、国内での雇用創出の起爆剤にしたい考えです。

バイデン大統領はことし1月の就任初日に、トランプ前政権下で離脱した国際的な枠組み「パリ協定」に復帰するための文書に署名しました。

さらに、国有地などでの原油や天然ガスの掘削を制限する大統領令に署名したほか、電気自動車の普及のためのインフラ整備や、再生可能エネルギー開発の支援に重点を置く政策を相次いで打ち出すなど、石油や天然ガスなどのエネルギー産業の保護を重視した前政権からの転換を進めています。

バイデン大統領としては、今回のサミットを通じて前政権からの戦略の転換を内外に示すとともに、国際協調を重視する姿勢を打ち出してこの分野でアメリカが再び主導的役割を果たす足がかりとしたい考えです。

アメリカは、世界の温室効果ガスの排出量でおよそ15%を占める、世界第2の排出国ですが、ブリンケン国務長官は「世界の残り85%の削減に失敗すれば、アメリカは気候変動との闘いに負ける」と述べるなど、各国との協力が不可欠だと強調しています。

中でも、世界最大の排出国である中国とは、人権や安全保障の問題をめぐり対立が深まっていますが、気候変動対策では協力が欠かせないという立場で、サミットを通じて、米中が協力できる分野では協力していくことを確認したい考えです。

また、バイデン政権は、気候変動対策に注力することで国内経済の構造転換をはかり、再生可能エネルギーの技術開発や普及を雇用の創出やビジネス機会の拡大につなげたいというねらいがあります。

一方で野党・共和党は、化石燃料からの脱却を進めれば国内で多くの雇用が失われ、経済的な打撃が大きいと主張し、結果的に中国やロシアを利することになると反発を強めています。

これに対し、民主党左派は、より積極的なインフラ投資などによって脱炭素社会の実現を目指すよう求めていて、気候変動対策をめぐってバイデン大統領は難しいかじ取りを迫られています。