菅首相 気候変動サミット出席へ 温室効果ガスの削減目標が焦点

菅総理大臣は、アメリカが主催して、22日からオンラインで開催される気候変動サミットに出席します。2030年に向けた温室効果ガスの削減目標についてサミットをひとつの節目として判断したいとしており、どのような方針が示されるのかが焦点です。

アメリカのバイデン大統領が主催する気候変動サミットは、22日から2日間、オンラインで開催され、菅総理大臣や中国の習近平国家主席ら各国の首脳が出席する予定です。

この中で、菅総理大臣は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすることを目指し、脱炭素社会の実現に向けて取り組むことなどを説明する見通しです。

また、政府は、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について2013年度に比べて26%削減するとした現在の目標を引き上げる方向で検討していて、菅総理大臣は、今回のサミットをひとつの節目として判断したいという考えを示しています。

政府内では、世界の脱炭素化をリードするためには、野心的な目標を掲げるべきで、2013年度に比べて45%程度削減する方針を打ち出すべきだといった意見もあります。

一方で、温室効果ガスの削減目標は、今後、幅広い分野に影響を与えることになることから政府は、サミットを主催するアメリカの動向などもギリギリまで見極める方針で、どのような方針が示されるのかが焦点となります。

日本の現在の目標 検討経緯

日本の現在の中期目標は「2030年度までに2013年度と比べて26%削減する」というもので、6年前に掲げられました。

そしてその翌年、政府は「2050年までに80%削減」という長期的な目標を初めて表明しました。

こうした中、菅総理大臣は去年10月、「2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする」と、「脱炭素社会」の実現を目指すことを表明。

その後、中期目標についても、長期目標と整合性のあるものに見直す考えを示し、政府は、ことし11月にイギリスで開かれる予定の地球温暖化対策の国連の会議、「COP26」までに新たな目標を掲げることを目指して検討を始めました。

そして、日本時間の4月17日に行われた日米首脳会談で取りまとめられた「日米気候パートナーシップ」では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」や、それに整合的な2030年までの削減目標を達成するため、協力を強化し、2030年までに確固たる行動をとるとされました。

各団体などが求める削減目標は

温室効果ガスの排出削減の中期目標をめぐっては、温暖化対策を呼びかけている団体などがさまざまな提言や意見を出しています。

このうち、2050年までに「脱炭素」を実現すると宣言している全国160の市区町村でつくる協議会は、先月、政府に宛てた提言で2030年の温室効果ガスの排出削減目標を「少なくとも45%以上」とするよう求めました。

気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、NGOなどでつくる「気候変動イニシアティブ」は、賛同者を募ったうえで2030年度までの削減目標を「少なくとも45%以上で、50%、55%という削減を目指す欧米に匹敵する、先進国としての役割と責任にふさわしい野心的なレベルまで強化することを求めます」というメッセージを発表しました。

また、すみやかな脱炭素社会の実現を目指す企業でつくる「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」は、「2030年に2013年と比べて50%以上削減」を目標に掲げるよう求める意見書を公表しています。

環境問題に取り組む日本のNGO「気候ネットワーク」は、各国の気候変動対策を調査する海外の共同分析チームの調査結果をもとに、「2030年に2013年度と比べて60%以上削減」とするよう提言しています。

このほか、温暖化対策を訴える若者グループのメンバーからは、同じ調査結果に基づいて「62%以上削減」とするよう求める声が多く聞かれます。

一方、関西経済連合会など西日本の6つの経済連合会は、先月(3月)、連名で取りまとめた意見の中で、「再生可能エネルギーの大幅な積み上げによる温室効果ガス削減目標の上積みは、電力コストの大幅な上昇、我が国の産業競争力の毀損につながることは確実であり、厳に避けるべき」としています。