新型コロナ 変異ウイルスの感染者 累計6000人近くに

変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省はこの1週間に新たに2352人の感染が全国の自治体の検査で確認されたと発表しました。新たな確認は前の週の1.5倍に上り、これまでの感染者数は合わせて6000人近くに上っています。

全国の自治体は新型コロナウイルスの新規感染者の一部から検体を抽出したうえでイギリス、ブラジル、南アフリカ、それにフィリピンで確認されている変異ウイルスに感染していないかを調べています。

厚生労働省のまとめによりますと、20日までの1週間に青森県と岩手県、山形県福島県、佐賀県を除く42の都道府県で合わせて2352人の検体から変異ウイルスが検出されたということです。

これは前の週のおよそ1.5倍に上っています。

都道府県別では
最も多かったのが東京都で549人
次いで
▽大阪府で209人
▽埼玉県で196人
▽神奈川県で120人
▽北海道で119人
▽愛媛県で106人などとなっています。

これまでに自治体の検査で変異ウイルスへの感染が確認された人は合わせて5916人となりました。

また、国立感染症研究所などで変異ウイルスの遺伝子が確認されたのはこれまでに全国で合わせて1646人で、このうち95%の人からイギリスで最初に見つかったウイルスが検出されているということです。

この変異ウイルスは従来のものより感染力が強いとされ、厚生労働省や自治体が監視体制を強化しています。

子どもの割合は…

変異ウイルスは従来のウイルスに比べて感染力が高くなっていて、すべての年齢層で感染しやすくなっている可能性が指摘されていますが、子どもが感染しやすいかどうかはまだ詳しく分かっていません。

国立感染症研究所は今月5日時点の国内の感染者について疫学的な分析を行っています。

それによりますと、イギリスで最初に確認されたタイプの変異ウイルスの感染者1889人と従来のウイルスの感染者3万5216人を年齢別に分析した結果、従来のウイルスでは0歳から5歳以下の感染者は全体の2.1%だったのに対し変異ウイルスでは4.3%と増えていました。

また、就学年齢となる6歳以上17歳以下の感染者について従来のウイルスでは全体の5.7%だったのに対し、変異ウイルスでは10.3%とこちらも増えていました。

それ以外の年代では65歳以上の感染者の割合が変異ウイルスで少なくなっていましたが大きな変化はありませんでした。

国立感染症研究所では子どもの割合が多くなっていることについて、変異ウイルスの流行が始まった当初、子どもに関係する施設でクラスター=感染者の集団が見つかったことが影響している可能性もあるとしています。

さらに厚生労働省が20日、専門家会合で示したデータでは、今月19日時点で詳しい遺伝子検査によって変異ウイルスの感染が確認された1477人を年代別に分析した結果、従来のウイルスでは10歳未満が3%だったのに対し、変異ウイルスでは8%、また10代が7%だったのが変異ウイルスでは11%と10代以下の割合が高まっています。

ただ、10代以下の割合は1か月前に比べると低くなっているということで、専門家会合では現段階では15歳未満で明らかな感染拡大の傾向は見られないとしています。

20日までの1週間では…

20日までの1週間に自治体の検査で、変異ウイルスへの感染が確認された都道府県とその人数は次のとおりです。

厚生労働省のまとめによりますと
▽最も多かったのが東京都で549人、
次いで
▽大阪府で209人、
▽埼玉県で196人、
▽神奈川県で120人、
▽北海道で119人、
▽愛媛県で106人、
▽京都府で91人、
▽福岡県で85人、
▽滋賀県で79人、
▽兵庫県で76人、
▽愛知県で73人、
▽香川県で57人、
▽富山県で55人、
▽千葉県で54人、
▽三重県で53人、
▽奈良県で48人、
▽茨城県で43人、
▽広島県で42人、
▽岡山県で34人、
▽群馬県で29人、
▽岐阜県と鳥取県で26人、
▽山口県で25人、
▽宮城県で24人、
▽静岡県で21人、
▽栃木県で14人、
▽沖縄県で12人、
▽秋田県と福井県で11人、
▽新潟県と長野県、大分県で8人、
▽山梨県と熊本県で7人、
▽和歌山県と宮崎県で6人、
▽石川県で5人、
▽長崎県で4人、
▽高知県で2人、
▽島根県と徳島県、鹿児島県で1人でした。

青森県、岩手県、山形県、福島県、佐賀県では、厚生労働省のまとめとしては、
20日までの1週間では確認されていません。

厚生労働省は、感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」を通じて、これらのデータを集めていて、自治体の発表と数が異なる場合があります。