沖縄 辺野古沖埋め立てに激戦地の土砂の使用反対を訴える

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、国が名護市辺野古沖の埋め立てに沖縄戦の犠牲者の遺骨が眠る本島南部の土砂の使用を検討していることについて、遺骨収集を行っているボランティア団体の代表が現地の土砂を使わないよう国に求めました。

アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、国は沖縄本島南部を名護市辺野古沖の埋め立てに使う土砂の調達先として検討しています。

本島南部は太平洋戦争末期の沖縄戦の激戦地で、21日、戦没者の遺骨収集を行っているボランティア団体の代表、具志堅隆松さん(67)が東京を訪れ、防衛省や厚生労働省の担当者に対し戦争で犠牲になった人の遺骨が眠る地域の土砂を埋め立てに使わないよう求めました。

具志堅さんは「戦没者の遺骨が失われようとしている。本島南部の土砂を埋め立てに使おうと考えたことは大きな過ちです」と訴えていました。

これに対し防衛省の担当者は「土砂の調達先はまだ決まっていない。遺骨の問題は大変重要であり今後しっかり検討したい」と答えていました。

本島南部の糸満市では去年3月までの1年間に38人の遺骨が見つかっていて、沖縄県議会や10を超える市町村議会では戦没者の遺骨を含む土砂を使用しないよう求める意見書を可決しています。

激戦地だった南部では今も遺骨が…

太平洋戦争末期の沖縄戦では住民を巻き込んだ地上戦で20万人を超える人が犠牲になり、沖縄県民の4人に1人が命を落としました。

当時、日本軍は首里城に司令部を置きましたが、その後、南部に撤退し糸満市摩文仁が最後の激戦地となりました。

沖縄県平和祈念財団戦没者遺骨収集情報センターによりますと、沖縄戦の戦没者の遺骨は今もおよそ2800人分が見つかっていないということです。

また、おととし4月から去年3月までに収集された59人の遺骨のうち38人は激戦地の南部、糸満市で見つかっているということです。

菅首相「遺骨の問題は大変重要」

菅総理大臣は参議院本会議で「埋め立て土砂は県内と県外のどちらを調達するかも含め現時点で確定していない。先の大戦において凄惨(せいさん)な地上戦を経験した沖縄では今もなお、厚生労働省と沖縄県で役割を分担して戦没者のご遺骨の収集が進められている。ご遺骨の問題は大変重要と考えており、土砂の調達は防衛省が適切に判断する」と述べました。