兵庫県 緊急事態宣言の発出を要請

兵庫県は、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、医療崩壊の危機にあるとして21日夜、国に対し、兵庫への緊急事態宣言の発出を要請しました。

兵庫県内では、21日に1日としては過去最多の563人の感染が新たに確認されるなど、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。

こうした中、兵庫県は、対策本部会議を開き、井戸知事は「患者数に減少の兆しがなく、医療状況も大変ひっ迫している。一段高い厳しい対応が迫られている」と危機感を示しました。

兵庫県内では、患者の急増によって20日現在で、重症病床の使用率が76.7%に達し、入院先が見つからず自宅などで待機している患者も1074人に上っています。

こうした状況を踏まえ、これまで「まん延防止等重点措置」に基づいて、飲食店などへの営業時間の短縮要請を行ってきたものの、感染拡大に歯止めがかかっていないとして、国に対し、兵庫への緊急事態宣言の発出を要請することを決定し、21日夜、正式に要請しました。

県は、緊急事態宣言に伴って実施する具体的な措置について、国や大阪府と調整を進めたうえで、23日、決定する方針です。

井戸知事は、記者会見で「『まん延防止等重点措置』を続けているが、際立った効果が見られていない。医療体制が危機にひんしかねない状況であり、対応をワンランク上げて緊急事態宣言の発出を要請することにした」と述べ、県民に理解を求めました。

また、宣言に伴う措置について「昼間からカウンターなどでの飲酒行為がかなり多いと聞いている。酒を提供しないというのは1つの有力な手段だ」と述べ、一部の地域では、酒類の提供を禁止することも検討する考えを示しました。