サッカー 欧州「スーパーリーグ」構想見直し迫られる事態に

ヨーロッパでは、強豪サッカークラブが発表した「スーパーリーグ」の創設をめぐって、ほかのクラブを締め出し利益を独占しようとしているという批判が広がり、政治を巻き込んだ論争に発展しています。こうした中、脱退することを明らかにするクラブが相次ぎ、構想は見直しを迫られる事態となっています。

サッカーの「スーパーリーグ」は、イングランドプレミアリーグのマンチェスターユナイテッドや、スペイン1部リーグのレアルマドリードなど、ヨーロッパ3か国の12の強豪クラブが創設に合意し、4月18日に発表しました。

これまでより質の高い試合を多く行うことで、新型コロナウイルスの感染拡大で経営環境が厳しいサッカー界に大きな利益を還元できるとしています。

しかしファンの間では、ほかのクラブを締め出し利益を独占しようとしているという批判が広がっています。

さらに、イギリスのジョンソン首相は20日の会見で「国中のファンを熱狂させるクラブの競争を妨げるカルテルを作ることがはたして正しいのか。必要であれば法的措置を模索する」と述べ、創設を防ぐ考えを示したほか、スペインやイタリアの政府も反対の立場を表明し、政治を巻き込んだ論争に発展しています。

こうした中、20日の夜以降、12のクラブのうちイングランドの6つのクラブすべてが構想から脱退することを相次いで明らかにし、「スーパーリーグ」構想は見直しを迫られる事態となっています。

各国政府が反対の立場示す

ヨーロッパ各国政府からは「スーパーリーグ」の創設に反対する立場が相次いで示されています。

スペイン政府は声明で「国内外の代表的な組織の意向を無視しており、政府として支持しない。ファンや選手、そして関係組織が納得できる解決策を見いだすため対話を進めるべきだ」としています。

イタリアのドラギ首相も「国内の大会やスポーツの社会的な役割などを維持するというイタリアとヨーロッパのサッカー連盟の立場を全面的に支持する」と述べ、「スーパーリーグ」に反対しています。

また、国内から参加するクラブがないフランスの大統領府は「スーパーリーグに参加しないというフランスのクラブの姿勢に敬意を表する。連帯の原則とスポーツの長所を脅かすものだ」として、創設に反対するFIFA=国際サッカー連盟などを支持するとしています。

さらにEU=ヨーロッパ連合のスキナス副委員長も「多様性に基づくヨーロッパのスポーツモデルを守らなければならない」とツイッターに投稿し、創設に反対の立場を表明しています。

英プレミアリーグ 6クラブが不参加

今回、「スーパーリーグ」へ参加しないことを表明したのは、
イングランドプレミアリーグに所属する
「アーセナル」、
「チェルシー」、
「リバプール」、
「マンチェスターシティ」、
「マンチェスターユナイテッド」、
それに「トットナム」の6つのクラブです。

このうち、マンチェスターユナイテッドは公式ホームページで「ファンや政府、それに、そのほかの利害関係者の反応を慎重に受け止めた。われわれは、長期的に持続可能な解決策を見つけるため、今後もサッカーのコミュニティを超えた協働を続ける」とコメントを発表しています。