チャド 大統領が死亡 軍事衝突の前線視察の際のけがが原因

アフリカのチャドで反政府勢力が首都に軍事的な攻勢を強める中、政府軍はデビ大統領が前線を視察していた際のけがで死亡したと発表しました。30年以上の長期政権を率いていた大統領の死亡で、地域情勢の不安定化も懸念されます。

チャドの軍部は20日、国営テレビを通じて声明を出し、デビ大統領が数日前に反政府勢力との軍事衝突の前線を視察していた際に負ったけがが原因で死亡したと明らかにしました。

声明はそれ以上の詳しい状況は触れていません。

軍出身のデビ大統領は1990年に当時の政権を武力で倒して自らが大統領に就任し、30年以上にわたり国を治めてきました。

チャドでは今月11日に大統領選挙が行われ、19日に発表された暫定的な開票結果ではデビ氏の再選が確実になっていました。

その一方でデビ氏の強権的な体制には批判も多く、今月に入ってから隣国リビアに拠点を置く反政府勢力が武力攻勢を強めて首都ヌジャメナに迫り、政府軍と激しく衝突していました。

軍部は当面、民政に移管するまで国を統治するとしていますが、デビ氏の死亡により国内だけでなく周辺国を含めた地域の不安定化も懸念されています。

フランス政府「偉大な大統領」

西アフリカで活動するイスラム過激派に対する掃討作戦をチャドなどとともに続けているフランスはデビ大統領の死亡を受けて大統領府や外務省が相次いで声明を発表しました。

このうち大統領府は「30年にわたり国と地域の安全のために尽力した偉大な軍人で大統領だった。フランスは勇気ある友人を失った」と哀悼の意を示しました。

そして、軍部が暫定的に国を統治するとしていることについて、すべての政治勢力と市民の対話によって民政への移管が平和的に行われることが重要だと強調しました。