米国で結婚の夫婦 “日本でも婚姻関係認定を” きょう判決

夫婦別姓を選んでアメリカで結婚した日本人の夫婦が、日本でも別姓のまま婚姻関係にあることを認めるよう求めた裁判の判決が21日、東京地方裁判所で言い渡されます。

映画監督の想田和弘さんと妻の柏木規与子さんは、24年前の1997年にアメリカ ニューヨーク州で夫婦別姓を選んで結婚しましたが、日本でも別姓のまま戸籍に記載して婚姻関係にあることを認めるよう国に求めています。

日本では民法で夫婦は同じ姓にすると規定され、日本人どうしが結婚するときに夫婦別姓が認められておらず、国側は「『夫婦が称する姓』を定めることが婚姻の実質的な要件であり、2人の結婚はこの要件を欠くため、日本では成立していない」と主張しました。

一方、夫婦は「ニューヨーク州の法律によって婚姻は有効に成立している。同じ姓を名乗ることは婚姻を制約するものではなく、実質的な要件ではない」と主張しました。

2015年に最高裁判所大法廷が民法の規定は憲法に違反しないとする判決を言い渡した後も、各地で別姓を認めるよう求める裁判が相次いで起こされていて、国政でも与野党で議論が活発化しています。

原告の弁護士によりますと、海外で別姓を選んで結婚した夫婦が、日本でも夫婦別姓を認めるよう求めた裁判の判決は初めてになります。

判決は、21日午後3時に東京地方裁判所で言い渡されます。

提訴までの経緯

訴えを起こしている想田和弘さんと柏木規与子さんは、1997年12月、アメリカ ニューヨーク州で別姓を選択して結婚しました。

2人によりますと、それぞれ仕事をしていた関係でどちらかの姓を選ぶという考えがなかったことに加え、当時、国で選択的夫婦別姓についての議論が高まっていたことから、制度ができてから日本で婚姻の届け出をしようと考えていたということです。

しかし、20年以上たっても選択的夫婦別姓は導入されず、2018年に提訴に踏み切ったということです。

婚姻関係が認められないことで、想田さんと柏木さんは、万が一の事故や病気の際に配偶者として入院に同意できないことや、治療の説明を受けられない可能性があるとして、不安に感じているということです。

想田さんは「海外で暮らす日本人が多くなってきたり、女性も働いたりというようなライフスタイルになってきている今、制度が合わなくなっている。ずっと見過ごされてきた部分だと思う」と話しています。

そのうえで「今回の裁判で一石を投じ、停滞していた議論に風穴を開けたい。選択的夫婦別姓の実現に向け、推進力になる判決を期待したい」と話しています。

また、妻の柏木さんは「わたしたちは夫婦だ。裁判所にはまずはそれを認めていただき『やっぱり私たちは夫婦だったね』とほっとしたい。姓を変えないことで、いろいろ不便をしている人がたくさんいることを知っていただきたい」と話しています。