“宣言”でも デパートや商業施設など 営業の継続を要請

大阪府の吉村知事が、緊急事態宣言が出た場合、大規模なデパートなどに休業を要請する考えを示しているのに対し、日本百貨店協会の村田善郎会長は、感染防止策をとっていることや経営への影響が大きいことを挙げて、営業を継続できるよう求めていく考えを示しました。

また、全国900社余りの商業施設で作る「日本ショッピングセンター協会」は、国や大阪府、それに東京都に対して、緊急事態宣言が出されても営業を続けられるよう求める要望書を提出しました。

大手デパート「高島屋」の社長を務める日本百貨店協会の村田会長は20日、NHKのインタビューに対し「デパートは感染防止対策をとっており、従業員間の感染も確認されていないし、クラスターも発生していないと聞いている」と述べました。また、規模の大きいデパートでは、取引先が数千社に上ることをあげて「デパートの営業は多くの取引先との協業で成り立っていて、休業要請となれば影響ははかりしれない。休業要請の対象からは外していただきたい」と述べ、緊急事態宣言が出た場合でも営業を継続できるよう求めていく考えを示しました。

1度目の緊急事態宣言が出て休業が続いた去年4月と5月の全国のデパートの売り上げは、前の年と比べて60%から70%余り減少する記録的な落ち込みとなりました。ことしに入ってからも2度目の緊急事態宣言の影響もあって、売り上げは感染拡大前を下回っています。

日本ショッピングセンター協会は、20日までに国と大阪府、それに東京都に対して「ショッピングセンターの営業継続について」という要望書を提出しました。

この中では、ショッピングセンターは、衣食住に関連した生活に必要な商品を扱う店が多く、社会生活の維持に欠かせない施設だとしています。

そのうえで、入場制限の基準を設けるなど感染防止の対策を徹底し、従業員の感染も少数にとどまっているなどとして、緊急事態宣言を出す場合も全館で営業できるよう配慮を求めています。

また、さらに感染拡大を防止するため、休業の範囲を拡大するとしても、生活に必要な商品の販売を続けることができるような措置を検討するよう求めています。

新型コロナウイルスをめぐっては、大阪府が緊急事態宣言の発出を国に要請することを決め、吉村知事はこれまでに、宣言が発出されれば百貨店や商業施設など、規模の大きな集客施設を中心に休業を要請したい考えを示しています。