ミャンマー 拘束の北角さん “不当な拘束だ”日本大使館が抗議

軍がメディアへの弾圧を続けるミャンマーで、日本人ジャーナリストの北角裕樹さんが、うその情報を流した疑いなどで拘束されていることについて、現地の日本大使館は不当な拘束だとして抗議し、北角さんとの面会とともに解放を強く求めています。

ミャンマーでは18日夜、最大都市のヤンゴンを拠点に活動している日本人ジャーナリストの北角裕樹さんが、50人ほどの治安部隊に自宅のアパートを取り囲まれ連行されました。

現地の日本大使館が地元の警察に確認したところによりますと、北角さんはうその情報を流した疑いなどで拘束されたということです。

軍はクーデター後に刑法の条文を変更し、北角さんのほかにも著名人やジャーナリストなどを、うその情報を流した疑いなどで相次いで拘束していて、裁判で有罪となった場合最長で3年の禁錮刑が科されます。

北角さんはヤンゴン市内の刑務所で拘束されているということで、警察は「けがはない」などと説明しているということです。

現地の日本大使館は軍側に拘束は不当だとして抗議し、北角さんとの面会とともに解放を強く求めています。

これに対し軍側はこれまでのところ明確な姿勢を示していないということで、拘束の長期化も懸念されています。

国営テレビ メディアを非難する放送を続ける

国営テレビは、20日はこれまでのところ、北角さんについての新しい情報を伝えていないものの「メディアはフェイクニュースを拡散させている」として、メディアがうその情報を流していると非難する放送を続けています。

この中で、国営テレビのキャスターは「メディアは治安部隊が、平和的にデモを行っている人たちを実弾を使って殺しているという根拠のないフェイクニュースを一方的に拡散させている」と非難しました。

さらに「ソーシャルメディア上の根拠のないフェイクニュースにもとづいて、違法な団体がこれまでの死者の数を発表している」として、現地の人権団体がクーデター以降、治安部隊による発砲などで死亡したとして発表している市民の死者の数はでたらめだと主張しました。

専門家「萎縮効果をねらった可能性」

ミャンマー政治に詳しい京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏准教授は「事前に日本人だとわかったうえで拘束しているということは大きな意味がある。ミャンマー軍がよく使う手で、影響力のある人物を拘束することで、ほかのジャーナリストや外国人が警戒するようになる。そうした萎縮効果をねらった可能性がある」と指摘しました。

そのうえで「先月、ドイツの通信社のジャーナリストが不法滞在の容疑で拘束された際は、2週間ほどで解放され、その後、国外退去となった。今回、北角さんは有罪となった場合、最長で3年の禁錮刑というより重い刑が科せられる。軍は外国人だからといって特別扱いするような態度を見せていないので、拘束が長期化する可能性は十分にある」と懸念を示しました。

また、北角さんが拘束されているヤンゴン市内のインセイン刑務所については「政治犯を収容する象徴的な刑務所で、劣悪な環境のなか人権侵害が起きているとして、国際的な人権団体から問題視されてきた。北角さんはヤンゴンで拘束されたため、この刑務所に移送されたと考えられるが、今後、拘束が長期化した場合にどういった対応が行われるのか人権上、懸念がある」と話していました。