時短営業で 路上や公園で飲み会 専門家「屋外でも感染リスク」

飲食店などへの時短営業の要請が続く中、都内の繁華街では駅前の路上や公園などで飲み会をするグループの姿が目立っています。専門家は「屋外であっても、マスクを外した状態で長時間一緒に飲酒すれば、感染リスクは大きくなる」として注意を呼びかけています。

東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県では「まん延防止等重点措置」が適用され、飲食店などには営業時間を午後8時までに短縮するよう要請しています。

こうした中、都内の繁華街では駅前の路上や公園などに集まって飲み会をするグループの姿が目立つようになっています。

このうち東京 新宿区のJR高田馬場駅前の広場では、19日午後8時半ごろ、缶チューハイや缶ビールを片手に路上で飲み会をする10組ほどのグループの姿がありました。

4人組の大学生は、夕方から近くの居酒屋で飲み会をしていましたが、二次会のために向かった店が閉まっていたため、路上で飲むことにしたといいます。

男子大学生の1人は「若者ばかり飲み歩いてと批判されるのは分かりますが、大人だって会社に行ったり会食したりしているじゃないですか。大学もオンライン授業が多く、学生だけ家にいろという感じなので、こういった形で夜集まるのは許してほしいかなという気持ちは若干あります」と話しています。

また、ほかの大学生は「大学生活は4年間しかないのに、自粛生活が続いていて、僕たちの世代だけ損していると感じてしまいます。もちろん感染が拡大しないよう協力すべきだとは思いますが、1人でずっと家にいたら悲しくなって、精神的に厳しい部分もあると思います」と話していました。

1都3県の知事は、屋外であってもマスクを外した路上での飲み会や大人数での会食は控えるよう呼びかけています。

「緊急事態宣言 路上飲みが感染拡大の場になるおそれ」

感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「屋外で換気はよいと思うかもしれないが、マスクを外した状態で話せば、飛まつが2メートルほど先まで届いてしまう。『路上だから感染リスクはない』と安心して飲んでいる人も多いと思うが、特に外はうるさくて大きい声で話しがちなので、長時間一緒に飲酒すれば感染リスクは大きくなる」と指摘しています。

そのうえで「今後、緊急事態宣言が出れば、飲食店が休業になって、ますます路上飲みが増える可能性があり、そこが感染拡大の場になるおそれがある。どこかで飲みたい気持ちは分かるが、路上飲みにもリスクが十分にあることを理解し、感染が拡大している今の状況では控えてほしい」と呼びかけています。