【都道府県別】医療従事者と高齢者への接種状況は

新型コロナウイルスのワクチン接種について、政府は19日、都道府県別の実績を初めて公表しました。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、2月から医療従事者などへの接種が進められ、今月12日からは65歳以上の高齢者への接種も始まりました。

このワクチン接種について19日、政府は総理大臣官邸のホームページで、都道府県別の実績を初めて公表しました。

まず医療従事者などでは、今月16日までに最も多かったのは東京都で、1回目を終えた人が11万7683人、2回目を終えた人が6万3168人でした。

次いで
▽大阪府が1回目は8万3193人、2回目は4万8792人
▽北海道が1回目は5万6808人、2回目は3万5371人
▽愛知県が1回目は5万6349人、2回目は2万9392人
▽埼玉県が1回目は5万2044人、2回目は2万9693人などとなっています。

国内全体では、1回目の接種を終えた人が119万8346人。

対象となるおよそ480万人の4分の1ほどです。

2回の接種を終えた人は71万8396人と15%ほどとなっています。

一方、高齢者の接種では、18日までに
▽愛知県で、1190人が1回目の接種を終え
▽石川県が1049人
▽神奈川県が1028人
▽青森県が1017人
▽香川県が961人
▽東京都が945人などとなっています。

国内全体では18日までに1万3369人が1回目の接種を終えています。

ただ、これらはあくまで都道府県から報告があった人数を集計したもので、実際はこれ以上に接種が進んでいる場合があります。

専門家「今のうちに接種できる体制を」

医療従事者や高齢者に対するワクチン接種の進捗(しんちょく)について厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「高齢者へのワクチン接種は、現在は限られた人にしかできていない状況だが、これから来月にかけて全国の自治体にかなり多くのワクチンが届けられる見通しになっている。各自治体は、今のうちに会場や人員の確保、予約のシステムの充実など、接種できる体制を整えておき、ワクチンが届いているのに接種できない事態を絶対に避けることが必要だ。また、医療従事者への接種も十分に進んでいないが、接種の担い手でもある医療従事者へのワクチン接種を行うことは国全体の接種計画を前に進めることにもつながるので、非常に重要な問題だ」と指摘しました。

さらに、政府がアメリカの製薬大手、ファイザーから、ことし9月までに国内の対象者に必要なワクチンの追加供給を受けるめどが立ったという見通しを示したことについて「確保されたということにすぎないので、どうすれば、ものすごく大勢の人たちに対する接種を効率よく進めることができるのか、情報発信の方法も含め今後、課題になってくる。ワクチンをめぐっては何が起こるか分からないこともあるので、ファイザー以外のワクチンについても承認に向けた手続きや確保を急ぐ必要がある」と話しています。