東京都 “宣言”今週中にも要請か 感染拡大に歯止めかからず

東京都は早ければ今週中にも緊急事態宣言の発出を要請する方向で検討しています。感染の拡大に歯止めがかからず変異ウイルスの広がりも見られる中、来週からの大型連休を見据えて人の流れを今より抑え、感染の急激な拡大を防ぎたい考えです。

東京都内では19日、月曜日としてはことし1月25日以来、400人を超えるなど感染の拡大に歯止めがかからず、変異ウイルスの広がりも見られます。

都は、人の流れを今より抑えて感染の急激な拡大を防ぐ必要があるとして、早ければ今週中にも緊急事態宣言の発出を要請する方向で検討しています。

第3波では、去年の大みそかに1日の感染確認が初めて1000人を超えたあと、年末年始の連休があけた1月上旬には3日連続で2000人を超えるなど、大幅に増加しました。

都としては来週からの大型連休を見据えた対策の強化に向けて、今週の感染状況を分析して専門家の意見も聞きながら最終的に判断したい考えです。

小池知事「なすべきことをひとつずつ確認」

東京都の小池知事は、記者団から緊急事態宣言の発出を政府に要請するか問われたのに対し「まずは東京都としてなすべきことをひとつずつ確認し、どこを強化していくべきかや医療提供体制について現場の報告などを集約し点検しているところだ。それらをベースにいま検討を行っている」と述べました。

千葉県 熊谷知事「まずは『まん延防止』に集中」

東京都の小池知事が緊急事態宣言の発出を政府に要請することを検討していく考えを示したことについて、千葉県の熊谷知事は19日、記者団の取材に応じ「まん延防止等重点措置による防止効果よりも感染拡大のリスクが上回ったために緊急事態宣言の要請を視野に入れたと思っている。千葉県は東京の感染状況に影響を強く受けるので、大きな緊張感を持って見ている」と述べました。

そのうえで「千葉県としては、まずはあすからのまん延防止等重点措置の効果を最大限に発揮するための取り組みに集中していきたい。東京都の緊急事態宣言に対する考えなどをしっかり聞いたうえで、それぞれの知事と意見交換を密にして対処方法を決めていきたい」として、現段階で千葉県としてすぐに緊急事態宣言の発出を要請する検討はしておらず、まん延防止等重点措置の対応に力を入れる考えを示しました。

一方で「今後、感染がさらに拡大する場合はより強い措置も必要なので感染拡大の傾向や医療提供体制をしっかりとモニタリングして、適切に判断していきたい」として、今後の状況次第で緊急事態宣言へ移行することにも含みを残しました。

埼玉県 大野知事「感染状況を冷静に判断」

埼玉県の大野知事は「常に緊急事態宣言も含めさまざまなカードを選択肢として持っていて、埼玉県の感染状況を冷静に判断しながら決定していきたい。なお現時点で、いま緊急事態宣言に移行するつもりはない」と述べました。

また、東京都が宣言を要請した場合の対応について、大野知事は、県内の状況を見て判断し、東京都が緊急事態宣言に移行しても埼玉県が要請することにはならないという考えを示しました。

神奈川県 黒岩知事「まずは重点措置の実施に全力」

神奈川県の黒岩知事は「小池知事の発言は東京都の感染状況をみて判断されたことだと思うが、神奈川県はあすからまん延防止等重点措置が始まるところであり、現時点で緊急事態宣言の要請などは考えていない。必ずしも1都3県が同じ枠組みで動く必要はなく、まずは重点措置に全力で取り組みたい」と述べました。

そのうえで「対策を行ってからその結果が出るにはおおむね2週間ほどかかるので、2週間後には感染者を大幅に減らせるよう県民の皆さんにも協力をお願いしたい」と話していました。

菅首相「まん延防止のための措置を徹底」

菅総理大臣は、自民党の役員会で「あすより『まん延防止等重点措置』の対象に、埼玉、千葉、神奈川、愛知を追加する。大阪・東京の状況を含めて、引き続き強い警戒感をもって各都道府県と連携しながら、まん延防止のための措置を徹底するとともに、病床の確保に全力を挙げていく」と述べました。