建物の脱炭素 国の検討会初会合“夏ごろまでに取り組みの案”

脱炭素社会の実現に向けて、住宅やオフィスビルなど建物から出る二酸化炭素の削減につながる省エネ対策を話し合う国の検討会が19日、初会合を開き、ことしの夏ごろまでに取り組みの案をまとめることになりました。

この検討会は国土交通省と経済産業省、それに環境省が、建物からの二酸化炭素の排出削減につながる省エネ対策を議論するため13人の有識者で設けました。

資源エネルギー庁によりますと、住宅やオフィスビル、それに商業施設などの建物は2019年度で国内全体のエネルギー消費量のおよそ3割を占め、二酸化炭素の排出量は3割を超えています。

検討会では、高い断熱性能や太陽光発電の活用などで、省エネ性能が高い建物の建設や改修につながる公的な支援や規制の在り方を議論します。

今後、建設会社や住宅メーカー、それに住宅設備メーカーなどの業界団体からヒアリングを行ったうえで、ことしの夏ごろまでに取り組みの案をまとめることにしています。

脱炭素社会に向けて今週、アメリカが主催する気候変動サミットが開かれるなど、国際的な機運が高まる中、政府は分野ごとの取り組みを明確にして、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指すことにしています。

省エネ性能の高い設備の導入コストが課題

温室効果ガスの排出を2050年までに全体としてゼロにするという目標の実現には、省エネ性能の高い住宅やビルの普及が大きな課題となっています。

資源エネルギー庁によりますと、国内で出る二酸化炭素のうち、建物からの排出量は2019年度で、
▽戸建て住宅やマンションなどが15.5%
▽オフィスや商業施設などが18.8%に上り、
合わせて全体の3割余りを占めています。

政府は2030年までに、住宅やビルなど新築の建物全体の平均でエネルギー消費量を実質ゼロにすることを目標としています。

このため、断熱性能が高く太陽光発電のシステムを設置するなど、エネルギー消費量が実質ゼロになる住宅やビルの普及を進めていて、費用の一部を補助する制度も設けています。

ただ、こうした省エネ性能の高い建物の供給実績は2019年度の時点で、新築の戸建て住宅では全体の20%余りにとどまっています。

断熱性能の高い外壁や窓ガラス、それに太陽光発電の設備などは導入するコストが大きいことが背景にあるとみられています。

大手住宅メーカーの関係者は「脱炭素に向けた対応の必要は感じているが、どうしてもその分のコストがかかるので消費者の購入意欲が変化しないか不安だ」と話しています。

建物の“脱炭素”を進めるには、省エネ性能の高い設備の導入に伴う費用などの負担を、いかに軽減するかが課題となります。