国の「修学支援新制度」 低所得世帯で大学など進学率上昇か

所得の低い世帯の学生が給付型の奨学金を受けられる、国の「修学支援新制度」が昨年度から始まりましたが、この1年間で27万人の学生が利用し、文部科学省は、低所得世帯の大学などへの進学率が10ポイントほど上がったと推計しています。

文部科学省が昨年度始めた住民税が非課税となるなど所得が低い世帯を対象にした「修学支援新制度」は、返済不要の奨学金が国公立大学で最大80万円、私立大学で最大91万円支給され、授業料や入学金も減額や免除されます。

昨年度の利用者は、新型コロナウイルスの影響で家計が急変した世帯もあり、27万人に上ったということです。

文部科学省によりますと、制度導入前の平成30年度は大学や専門学校などへの進学率が全体では82%だったのに対し、所得の低い世帯では40%と推計されていましたが、昨年度は48%から51%と推計され、10ポイントほど上昇したとみられるということです。

また、利用者6万6000人へのアンケートでは、3割余りが制度がなければ進学を諦めたと回答した一方、およそ7割が高校2年生までに進学を決めていたということで、文部科学省は制度の周知を早くから進めたいとしています。

今月下旬からは、来年度に進学を予定する高校3年生を対象とした募集の受け付けが始まることから、利用を呼びかけています。