リニア 「水資源への影響抑えられる」有識者会議が中間報告案

水資源への影響の懸念から静岡県が着工を認めていないリニア中央新幹線について、国の有識者会議は、対策によって大井川の流域への影響は抑えられるなどとした中間報告の案を示し、取りまとめに向けた作業を進めることにしています。

リニア中央新幹線の静岡県内の工事をめぐっては、県が水資源への影響の懸念から着工を認めておらず、目標とする2027年の開業は難しくなっています。

建設主体のJR東海と県の協議が難航する中、国土交通省は、去年4月から水資源やトンネル工学などの有識者による会議で議論を進め、17日はこれまでの議論を踏まえた中間報告の案を示しました。

案では、南アルプスの地下に掘るトンネル内に地下水が湧き出すことで、大井川の水量が減るとした静岡県の懸念に対しては、水の通り道となる別のトンネルを作り、すべての湧き水を川に戻すなど対策をとれば、工事完了後は中下流域の水量は維持され、地下水への影響も極めて小さいとしています。

工事の間、一定期間は山梨県側に湧き水が流出することになりますが、この場合でも解析の結果、中下流域の水量は維持されるとしています。

また、工事の影響を把握するため、JR東海には川の水量や地下水のモニタリングを行い、地元と情報を共有するよう求めています。

有識者会議は今後、中間報告の取りまとめに向けた作業を進めることにしていて、地元への説明会も開きたいとしています。

静岡県「内容には戸惑っている」

有識者会議終了後の記者会見で静岡県の難波副知事は「大井川は、われわれにとって“命の水”であり、たびたび渇水も起きているが、中間報告にはそうした水利用の実態などが盛り込まれていない。県の思いが理解されておらず、中間報告の内容には戸惑っていて、地元関係者と相談して取り扱いを考えたい」と述べました。

JR東海「いかに分かりやすく地元に説明するかを念頭に対応」

また、JR東海の宇野副社長は「各委員からの意見で有識者会議での説明資料は充実してきた。これをもとに今後は、正確性を保ちつつもいかに分かりやすく地元の方たちに説明するかを念頭に対応していきたい」と述べて、地元に説明する場を設けたいという考えを改めて示しました。