コロナ後遺症 重症化の要因解明へ 国立国際医療研究センター

新型コロナウイルスから回復しても後遺症が出る人がいます。後遺症がどんな人に出やすく、どんな要因で重くなるのか、国立国際医療研究センターが回復した人の血液の成分などを分析して要因を明らかにする研究を始め、今後の治療につなげたいとしています。

研究は国立国際医療研究センターのグループが今月から始めました。

研究では、新型コロナウイルスから回復し、研究用に血液の提供を申し出た20代から70代の男女530人を対象に新型コロナで出た症状や、回復後に嗅覚や味覚の異常、息苦しさ、体のだるさ、脱毛、記憶力の低下など、22の症状があったかどうかや症状の重さや期間などを答えてもらいます。

そして、それぞれの患者について、血液に含まれるウイルスを攻撃する抗体の量やたんぱく質などを調べ、後遺症の重さや症状が出た期間の長さなどと関連するか調べる計画です。

海外では後遺症が女性、高齢、肥満の人などに出やすいという報告はあるものの、症状が重くなる要因などは明らかになっていないということで、研究グループは重い後遺症に関わる成分がないか分析して治療法の開発などにつなげたいとしています。

研究をまとめる森岡慎一郎医師は「抗体の量が少ない人ほど後遺症が重くなり、長引くのではないかという指摘もあるが、まだ不明な点も多い。後遺症の予防や治療について新しい知見を集めたい」と話しています。