”弁護士事務所の利益相反” 申し立て 最高裁が退ける決定

企業どうしの裁判で、原告側の社内弁護士が被告側の代理人がいる弁護士事務所に移籍したとして、この事務所の弁護士らを裁判の代理人から外すよう求めた申し立てに対し、最高裁判所は、こうした申し立てはできないとして退ける決定をしました。

最高裁の決定などによりますと、おととし、大阪市の製薬会社が特許をめぐる裁判を起こした1か月余り後に、提訴の準備を担当した社内の弁護士が退職して市内の弁護士事務所に移籍しましたが、この事務所では特許裁判の相手方のアメリカの製薬会社から依頼され、別の弁護士2人が代理人になりました。

弁護士が対立する双方に関わるのは利益が相反するおそれがあるため弁護士法で禁止され、日弁連=日本弁護士連合会では、弁護士の共同事務所単位でも利益相反が起きないよう規範を定めています。

このため、大阪市の製薬会社は、弁護士2人を相手方の代理人から外すよう申し立て、去年、知的財産高等裁判所が申し立てを認めていました。

これについて、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は、日弁連の規範で禁止されている事務所単位での利益相反について、法律では禁止する規定がないと指摘しました。

そのうえで、代理人を外す申し立てはできないと判断し、16日までに知財高裁の決定を取り消し、大阪の製薬会社の申し立てを退ける決定をしました。

草野裁判長は補足意見で日弁連に対し「抽象的な規範ではなく、具体的なルールを規律することが喫緊の課題だ」と注文を付けました。