「まん延防止措置」埼玉 千葉 神奈川 愛知への適用 決定へ

新型コロナウイルス対策をめぐり、政府はまもなく対策本部を開き、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決定します。「重点措置」の適用は、10の都府県に拡大されます。

感染症の専門家などでつくる「基本的対処方針分科会」は、16日午前、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に「まん延防止等重点措置」を来週20日から来月11日まで適用する政府の方針を了承しました。

西村経済再生担当大臣は国会で「埼玉、千葉、神奈川では、東京に近接する地域を中心に新規陽性者数が増加していて、愛知では、名古屋市を中心に感染が急速に拡大している」と適用の理由を説明しました。

政府は、16日午後5時半から対策本部を開き、4県への適用を決定します。

重点措置の対象地域は
▽埼玉がさいたま市と川口市
▽千葉が市川市、船橋市、松戸市、柏市、浦安市
▽神奈川が、横浜市、川崎市、相模原市
▽愛知が名古屋市になる見通しです。

「重点措置」の適用は、東京や大阪など6都府県から、10の都府県に拡大されます。

政府は、感染の再拡大を抑え込むため、午後8時までの飲食店への営業時間の短縮要請や、イベントの開催制限、それに、不要不急の外出や感染拡大地域との往来の自粛の呼びかけなど対策を徹底する方針です。

衆参両院の議院運営委員会で質疑

埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県への「まん延防止等重点措置」の適用決定を前に、衆参両院の議院運営委員会では、各党の質疑が行われました。

▼自民党の木村次郎氏は「変異ウイルスが全国的に猛威をふるいつつある中で、重点措置の適用が必要な地域が今後も拡大するのではないか」と問いました。

西村大臣は「奈良や福岡の状況などをしっかり見るように指摘をいただいている。知事と連携し、必要があれば重点措置を機動的に活用したい」と述べました。

▼立憲民主党の田島麻衣子氏は「『また自粛か』と思っている人は多い。なぜ効果が出てきていないのか」とただしました。

西村大臣は「何度も流行が起こるので、大きな流行にしないように、そこでたたく。変異株は感染力は強いが、何とか抑えることはできないか努力を重ねている」と述べました。

▼公明党の安江伸夫氏は「重点措置の影響を受けた事業者を救済する趣旨と、公平性の観点から、対象地域の事業者を支援してほしい」と求めました。

西村大臣は「必要な支援をしっかりと行っていきたい。重点措置の内容や影響を踏まえ、具体的な制度設計を行うことにしている」と述べました。

▼日本維新の会の会派に所属する青山雅幸氏は「医療提供体制の拡充が課題だ。政府が現場におりていき、体制の拡大に汗をかいてほしい」と求めました。

西村大臣は「各都道府県で医療機関と十分協議し、来月中に病床確保計画の見直しを行う。国としてしっかりと支援し、働きかけも行いながら、地域の病床確保に全力を挙げたい」と述べました。

▼共産党の塩川鉄也氏は、雇用調整助成金の特例措置について「全国的な感染の広がりがあるときに、縮小せず、維持・拡充すべきだ」とただしました。

西村大臣は「重点措置の対象地域の時短営業に協力する飲食店や、 地域や業種を問わず業況が特に厳しい企業は、来月も6月も10分の10で支援する」と述べました。

▼国民民主党の田村麻美氏は「大阪への緊急事態宣言の発令の検討について教えてほしい」と質問しました。

西村大臣は「新規感染者数の伸びが鈍化しているが、この状況が続くと、病床がさらに厳しくなる。宣言を出すかどうか、状況を見ながら的確に判断しなければいけない」と述べました。