地下駐車場4人死亡 何らかの原因で誤作動した可能性 警視庁

15日、東京 新宿区のマンションの地下駐車場で消火設備から放出されたとみられる二酸化炭素が充満し、天井の張り替えを行っていた作業員4人が死亡した事故で、当時、消火設備を操作した作業員はいなかったことが捜査関係者への取材で分かりました。警視庁は何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて調べています。

15日、新宿区下落合にあるマンションの地下駐車場で、天井の石こうボードの張り替えを行っていた作業員の男性6人が中に閉じ込められ、このうち4人が死亡したほか、1人が意識不明の重体となっています。

警視庁によりますと、亡くなったのは、同じ内装工事会社に勤める東京 足立区の上邨昌弘さん(58)、上邨さんの兄の昇巨さん(59)、大川拓馬さん(27)の3人と東村山市の相澤学さん(44)と確認されたということです。

警視庁などによりますと、駐車場には二酸化炭素を放出するタイプの消火設備があり、当時、現場は二酸化炭素が充満した状態だったということです。

消火設備の操作盤は1階にあり、扉を開けてボタンを押すと作動する仕組みになっているということですが、警視庁が防犯カメラの映像などを確認した結果、当時、ボタンを押した作業員はいなかったことが捜査関係者への取材で分かりました。

一方、天井の張り替え作業は消火設備のそばで行われていたということです。

警視庁は消火設備が何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて、16日、現場検証を行って事故の状況を詳しく調べています。

作業終了直後に誤作動か

地下駐車場で天井の張り替え作業を行っていた東京・豊島区の建設会社「株木建設」によりますと、作業は15日から16日まで行う予定だったということです。

当時、地下駐車場には下請けの作業員6人がいたほか、株木建設の担当者が地上で監督にあたっていたということです。

15日は午後5時前に、作業は終了していて、その直後に、何らかの原因で消火設備が誤作動したとみられるとしています。

誤作動の原因については「分からない」としていて、株木建設は「亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、意識不明になっている方の1日も早い回復を祈っています。事実関係がはっきりしてから再発防止など今後の対応を検討したいと考えています」コメントしています。

住民「かわいそう」

現場のマンションでは16日朝、住民が花を手向けるなどして亡くなった人たちを悼んでいました。

マンションに住む63歳の女性は「天井の張り替え作業はきのうときょうの2日間行われる予定で、きのうは朝から男性たちが作業をしていました。命を落としてしまうなんて、本当にかわいそうです。原因は分かりませんが、安全確認を徹底するなどして今後、同じような事故が起きないことを願います」と話していました。

消防庁 安全対策の徹底を通知

事故を受けて総務省消防庁は、全国の自治体に対し、二酸化炭素を放出する消火設備の近くで工事を行う場合は、元栓を閉めてから工事を始めるなど、安全対策を徹底するよう求める通知を出しました。

通知では二酸化炭素を放出する消火設備の近くで工事を行う際、▽消火設備の点検の資格を持つ人などが立ち会って安全管理を行うことや、▽誤って消火剤が放出されないよう、元栓を閉めてから工事を始めることなどを求めています。

二酸化炭素を放出する消火設備では去年12月に名古屋市で、ことし1月に東京・港区で放出事故が発生し、総務省消防庁は、このときも2度にわたって安全対策の徹底を求める通知を出していました。