入院や宿泊療養待ち300人超 体調不良で救急搬送も 奈良

奈良県内では感染者を受け入れる病床などがひっ迫し、入院や宿泊療養を待つ人が300人を超えていますが、なかには待機中に体調不良を訴え、救急搬送されるケースも出てきています。

奈良県内では今月に入って感染者が急増し、15日時点で病床や宿泊療養施設の使用率が70%余りに達しているほか、入院や宿泊療養を待つ人が300人を超えています。

主に重症と中等症の患者を受け入れている橿原市の県立医科大学附属病院でも病床の使用率が54%になり、一般の診療の一部を制限し、看護師を確保するなどして対応しています。
しかし、重症用のベッドは15日朝の段階では埋まっていて、15日午前に依頼のあった重症患者は断らざるをえませんでした。

入院の調整を行う感染症センターの西原悠二医師は「重症のベッドがいっぱいだったので、まず、ほかの病院をあたってほしいといったん断った。このまま感染者が増え続ければ、重症の人を一般の病室や中等症を受けている病院でみざるをえなくなる」と話しています。
こうした中、この病院では入院や宿泊療養を待つ人が休日や夜間に体調不良を訴え、救急搬送されてくるケースも出てきているということです。

ただ、必ずしも重症や中等症に該当するわけではなく、病院では人手の少ない夜間や休日に救急搬送が相次げば、現場の負担が増えると懸念しています。

新型コロナの病棟で勤務する堀令子看護師長は「自宅にいて症状が強くなると、不安になって救急車を呼ぶということではないかと思う。患者がかなり増えている一方、看護師は慢性的に足りず、大変な状況になっていて、今後、感染者がさらに増えていったらどうなるのか不安だ」と話していました。