菅首相 ワシントンへ出発 対面で初の日米首脳会談へ

菅総理大臣はアメリカのバイデン大統領との首脳会談に臨むため15日夜、ワシントンに向けて出発しました。出発に先立って菅総理大臣は会談を通じてバイデン大統領との信頼関係を構築し、日米同盟をさらに強固なものにしたいという考えを示しました。

菅総理大臣は15日から4日間の日程で就任後初めてアメリカを訪問し、現地時間の16日にホワイトハウスでバイデン大統領との日米首脳会談に臨みます。

出発に先立って菅総理大臣は15日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「バイデン大統領との信頼関係を構築し、自由、民主主義、人権、そして法の支配、この普遍的価値で結ばれた日米同盟をさらに強固なものにしたい」と述べました。

そのうえで「会談では日米それぞれの国の関心事項について幅広く議論をしていきたい。そして『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて日米のリーダーシップを世界に示したい」と述べました。

菅総理大臣はバイデン大統領が就任後、対面で会う初めての外国首脳となり、会談を通じて強固な日米関係を対外的に発信したい考えで、会談の成果を盛り込んだ共同声明を出す方向で調整が進められています。
菅総理大臣は15日夜8時すぎ、ワシントンに向けて政府専用機で羽田空港を出発しました。

一方、政府は新型コロナウイルス対策のため今回のアメリカ訪問の同行者を通常より2割から3割少ない80人規模に絞ったうえで、一連の日程について感染対策の徹底を図ることにしています。

安全保障やコロナ対策など議題に

今回の首脳会談では、安全保障や新型コロナウイルス対策のほか、気候変動や経済協力、デジタルなど幅広い分野で意見が交わされる見通しです。

このうち、安全保障をめぐっては、台頭する中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携のほか、沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であること、台湾海峡の平和と安定の重要性などが確認される見通しです。

また、新型コロナウイルス対策で、ワクチン支援に協力して取り組むことや、気候変動の分野では、日米が連携し、インド太平洋諸国での脱炭素社会の実現を支援するなど、新たなパートナーシップを打ち出したいとしています。

経済協力の面では、世界的に不足している半導体のサプライチェーンの強化などでの連携が取り上げられる見通しです。

さらに、菅総理大臣は、政権の最重要課題である北朝鮮による拉致問題について、バイデン大統領に理解と協力を求め、解決に向けて連携を強化したいとしているほか、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた協力を改めて求めるものとみられます。

米メディアも日米首脳会談に注目

16日に行われる日米首脳会談で菅総理大臣がアジア太平洋地域の安定のために日本が果たす役割をどのように表明するのかアメリカメディアも注目しています。

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は、14日付けで、「日本は中国に立ち向かうのか。アメリカへの訪問で少しは分かるかもしれない」と題した記事を掲載しました。

記事では、「アメリカは日本にアジアの安定への最大の脅威となっている中国に対してもっと真っ向から取り組むよう迫っている」とアメリカ側のねらいを指摘しました。

これまで日本政府は中国の問題について直接的な言及を避ける傾向があったとしたうえで、「南シナ海や東シナ海での中国の攻撃的な行動を封じ込めるための外交努力を中国が無視するなか、日本が有事の際にどのような対応をとるのか具体的にする必要があるとの声がでている」とも指摘しています。