「ブルーライト」を抑えるメガネ 学会が子どもの使用に意見書

スマートフォンなどの画面から出る「ブルーライト」を抑えるメガネを子どもがかけることについて、眼科の専門医などで作る学会などは「推奨する根拠はなく、発育に悪影響を与えかねない」として、一般に対して慎重に考えるよう訴える意見書を出しました。

ブルーライトは、デジタル端末の画面などから出る波長が短い青い光で、目に負担を与えるとされ、この光を抑えるとするメガネが多く販売され、中には子ども用の商品もあります。

このメガネを子どもがかけることについて、日本眼科医会や日本眼科学会など6つの団体は、慎重な対応を求める意見書をウェブサイトに掲載しました。

意見書では、ブルーライトについて、夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると睡眠障害を来すおそれが指摘されているとして「夕方以降にカットすることには一定の効果が見込まれる可能性がある」としています。

その一方で、画面から出るブルーライトは、曇りの日の太陽や窓越しの自然光より少なく、目の網膜に障害を生じないレベルで、オーストラリアの大学のグループが行った臨床試験で、ブルーライトを抑えるメガネには眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されているとしています。

さらに、子どもが十分な太陽光を浴びないと近視が進行するリスクが高まり、ブルーライトにさらされることより有害である可能性が否定できないとしています。

学会などは、ブルーライトが目に悪い科学的根拠はないとするアメリカの眼科アカデミーの見解も紹介しながら「小児に推奨する根拠はなく、むしろ発育に悪影響を与えかねない」として、一般の人たちに対して慎重に考えるよう訴えました。

専門店「JINS」「Zoff」の運営会社は

子ども用のブルーライトを抑えるメガネを扱っている専門店チェーンの1つ、「JINS」の運営会社は、「ブルーライトの影響についてはさまざまな学説や論文が発表されていることは認識しています。日本眼科学会などの発表に対して、当社は言及できる立場になく、見解を伝えることはできません」とコメントしています。

この会社では3月、東京・渋谷区の公立の小中学校に通う子どもに対し、ブルーライトを抑えるメガネを寄贈すると発表していましたが「声明を受け、メガネの寄贈については中止の可能性も含めて渋谷区教育委員会と今後の対応を検討しております」としています。

また、子ども用のブルーライトを抑えるメガネを扱っている別の専門店チェーン、「Zoff」の運営会社は、「子どもにとって太陽光が心身の発育に好影響を与えるということについては私たちも同じ見解を持っています。今回の発表は“子どもに対して必要以上にブルーライトカットを推奨する一部の動き”に対する意見と認識しています」とコメントしています。

そのうえで「夜間にブルーライトをカットすることは一定の効果が見込まれる可能性があるとも考えています。お客様の利用に合わせて適切なレンズをおすすめし、お子様にはゲームやタブレットを使う際のブルーライト対策としておすすめしています」としています。