東京都 保健所の公衆衛生医師 3割が欠員 入院調整などひっ迫

東京都内の保健所などで新型コロナウイルスの感染経路の調査や入院調整などを担う医師に多くの欠員が出ていて、十分に配置できない事態になっていることがわかりました。医師が足りず、入院調整が限られた医師に集中するなど業務がひっ迫していて、人材の確保が急務です。

保健所などで住民の健康づくりなどにあたる公務員の医師、「公衆衛生医師」は、感染経路の調査や患者の入院調整など、新型コロナウイルス対策で重要な役割を担っています。

都が、毎年、選考して、都内の保健所などに配置していますが、今月1日時点では116人で、定数の3割余りの58人が欠員となっています。

欠員は過去10年で最も多く、一部の保健所では十分に配置できず、入院調整が限られた医師に集中するなど業務がひっ迫しています。

昨年度1年間で17人が退職した一方、新たに採用できたのは4人にとどまったことが原因で、都は、大量退職の背景には多忙を極める新型コロナウイルスの対応もあるとみています。

都福祉保健局は「このままだと食中毒の対応などにも支障が出るおそれがある。さまざまな手段を講じて人材を確保したい」と話しています。